音楽ドキュメンタリー映画
『白夜のタンゴ』

2014.11.20

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音楽ドキュメンタリー映画『白夜のタンゴ』

ブエノスアイレスからフィンランドへ── タンゴのルーツを巡る3人のアルゼンチン人ミュージシャン。彼らの旅を通して繰り広げられるユーモラスで愛に満ちあふれた音楽ドキュメンタリー映画『白夜のタンゴ』が、11月22日(土)よりユーロスペースほかで全国順次公開される。

フィンランドがタンゴの聖地だなんて、だれが言ったんだ?

ブエノスアイレスで活動している3人のアルゼンチン人タンゴミュージシャン、チーノ、ディピ、パブロ・グレコ。彼らはタンゴに人生を捧げ、タンゴはアルゼンチンで生まれたものだと信じて疑わない。アルゼンチン人はもちろん、世界中の多くの人がそう思っているなかで、その説に異議を唱える人物がいた。それはフィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督だ。「タンゴはフィンランドで生まれた音楽なんだ」。「カウリスマキ監督をはじめ、彼の仲間であるミュージシャンたちもそれを確信している。

この説を聞きつけた3人は納得がいかず、真実を確かめるためフィンランドへと旅に出る。ラテン気質の彼らはフィンランドの森林や湖、そして輝くような白夜に遭遇し、未知の世界へ来たことを実感する。そして彼らと対照的な、シャイで寡黙でどことなくユーモラスなフィンランド人が奏でるタンゴに触れることで、自分たちとはちがうタンゴの存在に心を通わせていく。

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美しいタンゴと温かい人びとが織りなす愛すべき物語

本作のメガホンを取ったのは、ケープタウンの黒人居住区にあるダンス教室と若い黒人ダンサーを追った作品『Dance for All』で数々の賞を受賞し、長編ドキュメンタリー映画監督としてデビューしたヴィヴィアン・ブルーメンシェイン。これまでに南アフリカ、インド、ドイツ、フィンランド、アルゼンチンなど、さまざまな国で異なるテーマの作品を作っており、『白夜のタンゴ』は長編ドキュメンタリー映画の監督4作目となる。

美しい自然が広がるフィンランドを舞台に、ふたつの異なる“もの”が旅とタンゴという媒介によって交じり合っていく様は、ときに知的好奇心を刺激し、ときにユーモラスで心を和ませる。旅をする3人と彼らの訪問を待ち受ける人びとは、それぞれの母国で高い評価を得ている名ミュージシャンたち。彼らの愛すべき生き方は、見る者すべての心に温かい感動を運んでくれることだろう。

Text by ENOMOTO Kozue(OPENERS)

『白夜のタンゴ』
11月22日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督│ヴィヴィアン・ブルーメンシェイン
出演│ワルテール“チーノ”ラボルテ、ディエゴ“ディヒ”クイッコ、パブロ・グレコ
配給│トレノバ
2013年/ドイツ・フィンランド・アルゼンチン/83分/原題『Mittsommernachtstango』
http://whitenights-tango.com/

OPENERSより
MOVIE|タンゴを巡る旅を通して繰り広げられる愛に満ちた物語
http://openers.jp/culture/tips_movie/news_whitenights_tango_49782.html

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