心温まる感動作
『おみおくりの作法』

2015.01.23

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top (1) © Exponential (Still Life) Limited 2012

『フル・モンティ』などの名作を生み出してきた名プロデューサー、ウベルト・パゾリーニ監督作が、孤独死した人の葬儀を執りおこなう公務員の姿を描く、心温まるヒューマンドラマ『おみおくりの作法』。1月24日(土)より、シネスイッチ銀座ほかで全国順次ロードショーされる。

孤独死をとおして見つめ直す、人とのつながり

几帳面で誠実な地方公務員ジョン・メイを主人公に描いた『おみおくりの作法』。「孤独死した人の葬儀をおこなう仕事」にかんする新聞記事のなかに、深く普遍的な要素を見出したウベルト・パゾリーニ監督が、自らロンドン市内の民生係に赴き、実在の人物や出来事について綿密に取材。ユーモアがありながらもちょっぴり切ない本作を誕生させた。

ジョン・メイ役には、本作が初主演となるイギリスの実力派俳優エディ・マーサン。これまでマーティン・スコセッシ、スティーヴン・スピルバーグ、ブライアン・シンガーなど、そうそうたる監督たちと仕事をしてきた彼が、主人公の繊細な感情の機微を見事に表現。

また小津安二郎監督の作品を参考に、カメラを動かさず定位置から物語を捉えることで、より静謐な雰囲気に仕上げている。

人と出会い、死と向き合い、人生は輝きだす

ひとりきりで亡くなった人を弔うロンドン市ケニントン地区の民生係、ジョン・メイ。事務的に処理することもできるこの仕事を、彼は誠意をもってこなしていた。

しかし、人員整理で解雇を言い渡され、ジョン・メイの向かいの家に住んでいたビリー・ストークが最後に見送る相手となる。目の前に住みながら言葉も交わしたことのないビリー。

ジョン・メイはビリーの人生を紐解くために、これまで以上に熱意をもって仕事に取り組む。そして、故人を知る人たちを訪ね、イギリス中を旅し、出会うはずのなかった人びととかかわっていくことで、ジョン・メイ自身もあらたな人生を歩みはじめる。

Text by KUROMIYA Yuzu

『おみおくりの作法』
1月24日(土)よりシネスイッチ銀座ほかで全国順次ロードショー
監督・脚本・製作|ウベルト・パゾリーニ
出演|エディ・マーサン、ジョアンヌ・フロガット、カレン・ドルーリー、アンドリュー・バカン
配給|ビターズ・エンド
2013年/イギリス=イタリア/91分/原題『STILL LIFE』
http://www.bitters.co.jp/omiokuri

OPENERSより
MOVIE|ある新聞記事から生まれた実力派人間ドラマ
http://openers.jp/article/877572

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