抱腹絶倒の音楽ドキュメンタリー
『パンク・シンドローム』

2015.01.20

CLIPPING
punk_syndrome ©Mouka Filmi oy

フィンランドが生んだ知的障害者によるパンクバンド「ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト」。彼らの“愛ある笑い”に溢れた日常を追う抱腹絶倒の音楽ドキュメンタリー『パンク・シンドローム』が、1月17日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開される。

これぞ本物のパンク!
聴衆を熱狂させる唯一無二の魂の叫び

フィンランドのパンクシーンを賑わす、とんでもないバンドが現われた。とにかく服の縫い目が気になるギターのペルッティ、足の爪は自分で切りたいボーカルのカリ、美人議員が大好きなベースのサミ、おうちを出たくないドラムのトニ。知的障害を抱える4人の個性がぶつかり合うパンクバンドが「ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト」だ。

ワークショップの一環で結成されたこのバンドの練習は一筋縄にはいかず、メンバー同士の諍いがしばしば勃発。だが、そのパワフルで激しいライブパフォーマンスと過激な歌詞が評判となり、瞬く間にフィンランドで人気者となる。

カメラはそんな彼らの日常生活やレコードデビュー、海外ツアーまでの、成功と紆余曲折の軌跡を丹念に映し出していく。

「ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト」は、彼ら自身ですべての曲を制作しているのも人びとを惹きつける魅力だろう。「精神科施設のメシはまるで豚のエサ」「いつかグループホームを爆破してやる」「少しばかりの敬意と平等が欲しい」など、施設や社会への不満を強烈な歌詞にぶつけ、ライブではパンク魂が炸裂した演奏を披露。障害者や健常者の垣根なく観客が熱狂する圧巻のライブシーンは必見だ。

本国ではフィンランド・アカデミー賞(Jussi Award)最優秀ドキュメンタリー賞に輝いたほか、日本では2013年山形国際ドキュメンタリー映画祭で市民賞を受賞。

ときに笑いときに切ない彼らのキュートな姿は、パンクファンのみならず、多くの人びとをも魅了することだろう。

Text by KUROMIYA Yuzu

『パンク・シンドローム』
1月17日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督|ユッカ・カルッカイネン、J-P・パッシ
出演|ペルッティ・クリッカ、カリ・アールト、サミ・ヘッレ、トニ・ヴァリタロ
配給・宣伝|エスパース・サロウ
2012/フィンランド、ノルウェー、スウェーデン/85分/原題『Kovasikajuttu』

http://punksyndrome.net/

OPENERSより
MOVIE|北欧から届いた抱腹絶倒の音楽ドキュメンタリー『パンク・シンドローム』
http://openers.jp/article/872820

TOKYOWISE SOCIAL TOKYOWISE SOCIAL
News Clip一覧を見る