ドキュメンタリー
『聖者たちの食卓』

2014.09.30

CLIPPING
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インドのシク教の総本山にあたる“黄金寺院”で毎日10万食もの食事が巡礼者や旅行者のために無料で提供されている様子を描いたドキュメンタリー『聖者たちの食卓』。9月27日(土)より渋谷アップリンクほかで全国順次公開される。

2012年の東京国際映画祭のナチュラルTIFF部門でグランプリを獲得

黄金寺院とも呼ばれるハリマンディル・サーヒブはインド北西部、パキスタンとの国境付近にあり、毎日10万人分もの食事を訪れた巡礼者や旅行者に振舞うことで知られるシク教の総本山だ。このインドの聖なるキッチンの舞台裏を追い、2012年の東京国際映画祭のナチュラルTIFF部門で見事グランプリに輝いた『聖者からの食事』が『聖者たちの食卓』と改題され日本でもいよいよ公開される。 監督はみずからも移動式キッチンのシェフとして腕を振るうベルギーのフィリップ・ウィチュスと、ヴァレリー・ベルトーの夫妻。黄金寺院で500年近くにもわたってつづく「聖なるキッチン」のコンセプトに感銘を受け、映画の製作を決意したという。

みなが公平にお腹を満たすことのできる“聖なる場所”

毎日10万人分もの食事を用意し、巡礼者や旅行者にすべて無償で提供している黄金寺院。そこは宗教も人種も階級も職業も関係なく、みなが公平にお腹を満たすことができる“聖なる場所”だ。

訪れた人たちはあらゆる差別や偏見を気にせず、おなじ鍋のご飯を一緒にいただく。そんな“大きな団らん”は、昔から変わることのない大きな鍋や調理法、たくさんの材料、それ以上に1日中ニンニクの皮をむく信者の男性といった無償の労働、無駄のない神々しい手さばきをもつ人たちによって支えられているのだ。この驚くべきキッチンの舞台裏がいま、つまびらかにされる──。

音楽も台詞もなく、ただハリマンディル・サーヒブの1日を追った本作。私たちの命の源である「食」という営みの原点を思い出させてくれるインド・黄金寺院に古くから伝わる食卓の風景と、息を呑むほど美しい寺院の姿とともに、極上のショートトリップへといざなわれる。
Text by YANAKA Tomomi

『聖者たちの食卓』
9月27日(土)より、渋谷アップリンク、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
監督│フィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルトー
配給│アップリンク
2011年/ベルギー/65分/
http://www.uplink.co.jp/seijya/

OPENERSより
MOVIE|インド“黄金寺院”で毎日振舞われるカレーの舞台裏を追う
http://openers.jp/culture/tips_movie/news_sijya_48416.html

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