Editor’s Eye

2017.01.27

Editor’s Eye

3. 食もアート

今まで、地元民や観光客も足を運ぶ夜市や食堂などで食事をしていた私が宜蘭県で見て&食べて驚いたのは、宮廷料理のような飾り切りで装飾された大皿料理の数々。例えば、今回宿泊した『和風時尚館』の夕食の大皿料理では、カボチャを使った魚やタロイモを使った馬の“食べられる彫刻”と表現すべき装飾が目を引いた。 国内外から注目されている礁渓温泉近くにあるレストラン『甘拜打』や、創作料理が人気の庶民的な料理店『三合院』では、職人の高い技術が踏襲された盛り付けや絶品の伝統料理や家庭料理が楽しめる。ちなみに、台湾ではおもてなしの精神が料理に反映されていて、華やかな装飾はもちろん、足りないよりも残るぐらいが良いということからボリュームも満点なのだとか。

4. 博物館もアート

斜線と直線を絶妙に融合した外観、雨が多い宜蘭県の特性を表現した(雨音のリズミカルさとビバルディ「四季」の楽曲をモチーフにしたピアノ鍵盤の)壁が印象的な『蘭陽博物館』は、農耕業が盛んな宜蘭県の歴史に触れることができる展示物も多い。

その中で、動物好きの私の目に留まったのはアルマジロのオブジェ。ベテラン学芸員さんの話によると、宜蘭県の原住民はアルマジロの鱗(鱗状に変化した体毛)を使ってアクセサリーや工芸品を作っていたという歴史があり、「触ることも捕獲するのも難しい、アルマジロの7番目の鱗に触ると幸せが訪れる」という言い伝えがあることも教えてくれた。
(※今も野生のアルマジロが生息していると言われているが、国の法律で野生のアルマジロに触れることも捕獲することも禁止されている。) また、動物園のゲートのようなインパクト大のキリンが目印の宜蘭駅とその周辺には、台湾出身の絵本作家・幾米(ジミー)氏の世界観を再現したアート作品が見られる丟丟噹公園や幾米公園などもある。

5.お土産にクラフトアート

自然や生き物に対する愛を感じた宜蘭県で出逢ったクラフトアート、まず一つ目は、五峰旗風景瀑布地区の露店で見つけた木製ボールペン。叔父さんがナイフを使って一つ一つ手作りする、表情や風合いが異なる愛くるしい逸品! 二つ目は、『蘭陽博物館』の敷地内にあるワゴンで見つけた籠から顔を覗かせているリスの2匹。素材感や色を生かした多種多様の工芸品は、何だかほっこり気分にさせてくれるしお土産としても喜ばれそうだ。 週末旅も叶う台湾を改めて旅してみると、新しい発見や出逢い、アートの魅力に溢れている。

最後に、近くの台湾を気軽に楽しむために、お金にまつわる私的な旅の重要項目を言及。
⚫ 最もコストがかさむ飛行機代をLCCにする
東京から約4時間の移動で行ける台湾の場合、東京(成田空港)→台北(桃園空港)行き6,750円〜のジェットスター※を利用。寝て過ごすも有りだし、オリジナルの機内食に舌鼓するも良し。また、現地の移動手段としては、バスや初乗り210円ほどのタクシー、電車(台北駅→高雄市の美麗駅まで新幹線有り)を上手に使うのが◎。

⚫ 2泊以上するなら宿泊先を選ぶべし
例えば、「移動疲れもあるし、ゆっくり過ごしたいな」っていう時には、10,000円〜のホテルを選んで、二日目は3,000円前後の今流行りのバックパッカー向けのホステル(AirBnB)に一泊っていうのも有り。旅のプランに合わせて宿泊先を選ぶのも大事。

食費や趣味にちょっとだけ贅沢をアドオンできる楽しみが叶うのも、安価で楽しめる台湾だからこそかもしれません。東京の喧騒にちょっと疲れちゃった&週末旅をしたい、という時の候補や参考にしてみてはいかがでしょう。

(Photo & Text:Sayaka Miyano)

※台北まで3都市から運航。台北路線片道運賃 東京(成田)6,750円〜/大阪(関西)4,950円〜/名古屋(中部)4,800円〜

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