ナイショの話、盗み聞き 美容業界の裏常識

2016.11.04

美容業界の裏常識


化粧品業界といえば華やかで「重い物持ちません」「汚いことやりません」みたいな人たちの集まりかと思っていたけど、現実は想像以上に厳しい世界なのかもしれない。キレイの裏側のドロドロの世界のほうに興味があるなんて言ったら、この人との楽しい会話は即効で打ち切りになるだろう。

僕の妹は家に帰っても化粧も落とさず寝ちゃうんです。そんなコでもあなたのようにキレイな肌をキープできる裏ワザってあるんですか?」と聞いてみた。

私たちだって化粧を落とさず寝ちゃうときだってあるわよ……職業柄、堂々と言えないけど(笑)。でも、そんなときは乳液を使うの。コットンに乳液を含ませてメイクの汚れを取り除く。できれば3〜4回、コットンにメイクの汚れがつかなくなるまでね。乳液は油分でできているからメイクの汚れも取りやすいし、それに乳液には肌を柔らかくする機能もあるので、いざという時のお助けアイテムなの。今流行りの“ズボラスキンケア”とでも言うのかしら」。

へぇぇぇ〜〜〜〜、意外な答えにびっくり。百貨店の化粧品カウンターにいるスキのない“完璧なメイク”をしいてるおねーさんたちと同類(失礼!)だとしたら、「メイクを落とさず寝るなんて、あり得ませんっ!」と言われると想像していたけど、こんなキレイな人でもズボラだって認めてるんだからちょっと嬉しくなった。
「でも、翌日はちゃんとクレンジングからお手入れしてね。できれば肌の活力を上げるマスクも。前日のおさぼりがチャラになるわよ」と教えてくれた。これからどこかの雑誌編集長と会食らしい。もっと話をしたかったという僕の気持ちを察知してか、「化粧品に興味を抱いたら連絡してね」と名刺を置いてってくれた。彼女にはまた近いうちに会えそうな気がする、そんな予感がした。

(Text: 青木 カイト)
(Illustration: Nozomi Yuasa)

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