Cafe Culture

2014.12.12

Cafe Culture
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Vol.03
バリ島で稀少コーヒー“コピ・ルアク”を飲んでみた

たまさか、バリに向かうことになったのだが、コーヒー好きとしては、この島で採れる世界で最も稀少と言われるコーヒー、“コピ・ルアク”を飲まないわけにはいかないな、と。出向いたのは島の中央部にあるコーヒー農園。鬱蒼とした林の向こうに、デモンストレーション・コーナーには観光客向けと思しき老婆がコーヒー豆を煎っている。が、間違い無くここは“コピ・ルアク”の農場らしく、飼われているジャコウネコもいる。このジャコウネコの好物であるコーヒーの身を食べた後に排出される糞に混じったコーヒー豆を集めて焙煎されたものが“コピ・ルアク”だ。ま、なんでそんなことを考えたのかは定かではないが、これが世界一希少なコーヒーなのだという。なにしろ、日本で飲めば1杯数千円(1万円オーバーなんてのもあるらしい!)はするという超高級嗜好品なのだ。ここバリでも試飲させてもらうことにしたのだが、1杯約500円とバリの物価を考えれば飛び抜けて高い。
さてと。見慣れない変形サイフォンで淹れられた“コピ・ルアク”。深い琥珀色の液体は刺激的な香りではなく、むしろ酸味を感じるシトラス系の香り。一口口に含んでみる。お!濃厚ではないのに深味はどこまでも続く感じ。ちょっと言葉では言い切れないのだが、未体験のコーヒーがそこにあった。
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と、まぁ特別なコーヒーを飲んじゃいましたが、要はブレンドにはないシングルオリジンコーヒーの個性の極みみたいなものを体験したということだ。ブレンドにはブレンドの良さがあるが、自分の好みのシングルオリジン豆を見つけようという気になり、六本木のTSUTAYAに併設されているスターバックスに行くことにした。 なぜここかというと、CLOVERというバキュームプレスマシンで一杯づつ抽出したシングルオリジンコーヒーが楽しめるのだ。その豆自体もスターバックス リザーブ®と呼ばれ、世界中の契約農園から専任バイヤーが選んできた豆だというのだ。信じるものは救われる。百聞は一杯にしかず。自分へのひそかなご褒美(なんのでもいい)として、ちょいちょい出かけては、このマシンでじわじわ抽出される琥珀色の液体を楽しむのだ(ちょっと高いけど)。豆の個性を楽しむ感覚は、ワインのそれに似ていると言われるが、まさしくそうで、コーヒーが世界中でウンチクも含めて楽しまれる様は、ある意味、平和でもあり、豊かな時代とも言えるのではと、柄でもないことを考えている時間が楽しいのであった。
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(Text:Y.Nag)
(Illustration:ワキサカコウジ)

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