The ABC\

2016.10.03

The ABC\’s of International Marriage
topimage_International Marriage_vol.5ベビー誕生で本領発揮

子どもにとって、多国籍はメリット?デメリット?

日本人からすると、二カ国以上の国籍を持つ人はメリットに思える。多様な視点を持てるし、ゼロからのスタートよりは基盤があるのだから。でも、本人達には特有の悩みがあるらしい。どうやらハーフの場合、日本に居たら外国人扱いだし、イギリスに戻っても外国人扱い。ドイツ人とフィンランド人のハーフな夫も、同じようなことを言っていた。確かに、去る7月に1カ月フィンランドに滞在していたけれど、日本では外国人っぽいと言われる娘達も向こうではバリバリアジア人に見えるらしく、「ニーハオ!」と言われており、自分は何人であるというアイデンティティを保有するのが簡単なことではないと分かった。

フィンランドのスーパーや電車で見掛けたのは、完全にフィンランド人夫婦についてる二人のアフリカンな子供達。一目で養子であることが分かった。そう言えば、先日貰ったフィンランド語の絵本の中にも、中国から養子を迎えるという内容の絵本があった。夫に養子は一般的かと聞くと、移民の受け入れも多く、日本よりは一般的だという。彼らは、外見は確実にアフリカンでありながら、フィンランド語を流暢に話しながら、家族仲睦まじい様子を見ていると、本人次第だなーと思ってきた。色んな人が色んなことを言うかも知れないが、本人がフィンランド人であると言えばそうなのだ。多国籍な背景を持つ子供達がアイデンティティ喪失しないよう、それぞれの文化を共有し、意思をしっかり持っていくことを親が教えてあげれば、多国籍はメリットになりえるのだ。

多言語習得ということ

グローバル化の進む昨今、英語の早期教育にも注目が集まる。「ポリグロット(polyglot)」とは、2種類以上の言語を話せる多言語話者のことで、日本では「マルチリンガル」と言われることが多い。グローバル化が進む昨今、英語教育の必要性を叫ばれつつも、母国語をしっかりと習得してから、英語を習得すべきという考え方もある。

我が家の場合、夫は子供達にフィンランド語で話し、私は日本語(関西弁)で話している。フィンランドの人口は500万人強と東京の人口よりも少ない事実を知った時、英語も出来るのだから英語で話して欲しいとお願いした。が、夫は母国語じゃないし、英語は自然に覚えるから、フィンランド語で話すと言ってきかない。結果オーライだったのは、長女が1歳半からブラジルへ行ったことで、フィンランド語と日本語のパワーバランスが均衡を保てた。彼女は難なくブラジルでポルトガル語を習得し、週2回の英語の授業もあったので、英語という別の言語もあることを知り、パパにはフィンランド語、ママには日本語を話すようになった。しまいには現地のポルトガル語やスペイン語、そしてパパのフィンランド語を「~~と言っているよ」とママに翻訳してくれるようになって驚いた。そして、彼女はママが理解していないということも分かっていることが浮き彫りになり赤面した。

また、帰国して関西在住のおばあちゃんにも上京してもらい、同居を始めた。おばあちゃんもこれまた関西弁が抜けきらず、あっという間に子供達は関西弁一色になった。(つられて夫も関西弁ネイティブにほぼなってしまったくらい)。先日、目黒時代のママ友が長女と同じ年齢の子供を連れて遊びに来てくれた。すると、どうでしょう。なんと、長女は、その友達には、「これは違うねん、、、あ、いや、これは違います」と標準語に言い換えたのだ。その言語を自由に操る様をマザマザと見て、幼少の頃に多言語の海で泳ぐことの意味を痛感した。

親がそこそこ英語を話せるのであれば、サークルに入るなどして、決まったシチュエーションで英語などの言語オンリーにすることを週1回でも続けていれば、英語脳は出来るようになるような気がした。興味があったので、取り寄せてみた英語教材はマタニティからの胎動リスニングを推奨している。これは、ベビーの為というより、ママが英語に親しむ要素が大きいような気がした。良く言われることだけれど、映像だけを見せて教材だけ与えてもきっと子供は英語が出来るようにはならず、親の英語嫌いのムードを受けて、子供も英語を話すことが当たり前にならないような気がした。大事なことは、習慣的にその言語に触れ続け使用して真似が出来る機会があり続けること。必要であれば習得し、必要でなければ習得しないという、シンプルなことなのだと思う。

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