ジバラ映画鑑賞記

2017.09.21

ジバラ映画鑑賞記
『新感染 ファイナル・エクスプレス』【ジバラ映画鑑賞記 Vol.4】

愛する人を守るために何ができるか。
究極の家族愛を描いた映画
『新感染 ファイナル・エクスプレス』
<<微妙にネタバレあり>>

昨年の夏、Summer of the Dead 〜 映像クリエイターに聞いた、『怖いだけじゃないゾンビ映画』と題して、映像クリエイター兼演出家のばんば淳一氏へインタビューをさせていただいてから一年が経とうとする中、ゾンビ映画の第一人者、ジョージ・A・ロメロ監督の訃報……。今では、世界共通語になっている“ゾンビ”や関連映画は、ロメロ監督作品『ゾンビ(原題:ドーン・オブ・ザ・デッド)』があったからこそ、と言っても過言でない。
ロメロ監督が創り上げた、ゾンビ映画の礎、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)や『ドーン・オブ・ザ・デッド』(1978年)に登場するゾンビを、私は、オールドスクール・ゾンビと勝手に呼んでいる。それとは逆に、ウィルス感染やスピード感に加えて、より人間の欲が描かれた2000年代、第3ブームのゾンビは、ニュースクールと定義付けたいところ。
時間の経過や時代の流れと共に、ゾンビも映画もどんどん進化している。アメリカ、ヨーロッパが主だったゾンビ映画は、今や各国に広まり、日本をはじめアジアの作品も注目を浴びるほどになった。

怖さよりも感動!?
人間ドラマが濃いパニック&サバイバル映画

今回ご紹介する、『新感染 ファイナル・エクスプレス』は、韓国発の作品。今作は、「ゾンビ映画」という売り文句や触れ込みはしていないのだが、冒頭で触れたニュースクール・ゾンビ的要素は無視できないということを先にお伝えしておきたい。
批評サイトのRotten Tomatos(ロッテントマト)では96パーセントの支持を獲得し、エドガー・ライト、スティーヴン・キング、ギレルモ・デル・トロといった著名人をはじめ、国内外の映画関係者やアーティストから絶賛のコメントが寄せられている『新感染 ファイナル・エクスプレス』。さて、その内容はというと、謎のウィルス感染によって凶暴化した感染者が襲ってくるパニック&サバイバル映画であり、海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のように、ゾンビよりも人間の奥深い欲や怖さが描かれたヒューマンドラマの要素が強い印象だ。
http://shin-kansen.com/about/index.html

ストーリーは、仕事に追われて家族を顧みない証券会社のファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)が、娘のスアン(キム・スアン)の誕生日祝いとして、別居中の妻/スアンの母へ会いに行くためにプサン行きの列車に乗るところから進んで行く。発車直前に駆け込んできた負傷した一人の女に気づくことなく、特急列車KTX101号は動き出す。直後、女は謎のウィルス感染により豹変! 急病人と思い対応するスタッフに襲いかかり、その後、あっという間のスピードで、次々と乗客が感染者へと変貌していく……。

😆 Miyaan’s Check Point1

ゾンビに噛まれてから、ゾンビ化するまでの時間は、作品によって多少の違いはあるけれど、中でも、『ワールド・ウォーZ』が、断トツ速い!と思っていたのに、今作もかなり速いと感じた。感染爆発が起きてもおかしくない。閉鎖的かつ逃げ場の無い特急列車を舞台にしている点や感染スピードの速さも新しい。

車両内は、仰け反った後に襲ってくる感染者に溢れ、生存者の数は圧倒的に少ないという危機的状況と絶望感に苛まれる。また、緊急停車した駅で離ればなれになってしまった時、大切な人を守るべく、目の前の脅威に立ち向かう男の葛藤と勇姿や家族への愛が描かれている。

😆 Miyaan’s Check Point2

この映画のレジェンドかつ勇姿を見せてくれるのは、三銃士的な例えで、ソグ、サンファ、ヨングク。世代も過ごす環境も異なる、偶然に居合わせた三者が、大切な人に会いたい&守りたいという想いの元、無謀ながら感染者でいっぱいの車両に突っ込む姿は感動の極み。が、こうしたゾンビ映画を楽しむ上で、ゾンビとの攻防や攻撃は、もう少し工夫の余地があっても良かったかなと思うところ。
http://shin-kansen.com/about/cast.html

😆 Miyaan’s Check Point3

ゾンビと対峙した時は、頭を破壊する(または首をへし折る)ための武器や攻撃が重要になるのが通説だが、『新感染 ファイナル・エクスプレス』 は、そうはいかないところが面白い。ピストルやボーガンはもちろん無く、自らの知恵や車内に有る何かを使って感染者と戦おうとする姿や「素手で行くの?」と突っ込みたくなるシーンなんかが描かれている。必要性の有無は、また別の機会に深堀りしたいが、ゾンビ映画の中ではバットが有効な武器の一つになりそうだ。

我が身を案じる者、大好きな人との未来を願う者、家族を守るべく無謀な戦いに挑む者、それぞれの強い想いを持つ人間が同乗しているKTX101号。脅威にさらされながらも、人と人の出会いや感情に翻弄されつつ、助けに行くか、会いに行くか……、その結末はいかに?

『新感染 ファイナル・エクスプレス』を
勝手に評価

最後に、映画を鑑賞した評価を下記にまとめてみました。

ゾンビのクオリティ ★★(星2)
内容の面白さ ★★★(星3)
ドキドキ感 ★(星1)
感動&涙 ★★★(星3)
ツッコミどころ ★★★★(星4)


なお、今作は、アメリカでのリメイクも決定(公開日未定)しているそうなので、公開中の今作と見比べて楽しむっていうのも有りかも。

【作品情報】
『新感染 ファイナル・エクスプレス』
監督:ヨン・サンホ
製作:イ・ドンハ
脚本:パク・ジュンソク
出演:コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソク、チェ・ウシク
URL:http://shin-kansen.com

(Text:Miyaan

おすすめ度の★評価について
★★★★★ 観る価値大
★★★★  満足度高め
★★★   賛否両論…
★★    もう一声!
★     残念すぎる

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