モンステラ・マニアによる 熱帯温室マニア

2018.04.08

熱帯温室マニア

ドアが開いた瞬間、そこは熱帯楽園テーマパーク

自動ドアが開いた瞬間、もわっとした湿度たっぷりの熱気とともに、緑の大空間が目の前に広がる。
夢の島熱帯植物館は、隣にある新江東清掃工場の余熱を利用している。暖房だけではなく、吸収冷凍機を使って、余熱から冷房もまかなっているため、1年を通して25度前後の温度を保っているので、冬は暖かいのはもちろん、夏でも暑すぎず、1年中快適温度なのだ。まさに「夢の島」、快適温度を保つ楽園ジャングルシェルターとも言うべき建物だ。

入ってすぐに見事な水量の滝とスイレンの池がある。早速この温室No.1の記念撮影スポットだ。



上を見上げると、生い茂るヤシなどの木々がまさに赤道直下の熱帯密林を思わせてくれるが、その先に見える金属とガラスのドームが、ここが都会の真ん中に切り取られた異空間であることを気づかせてくれる。
滝上には鮮やかなブーゲンビリア。



ここだけでも長い間ボーとしていられるが、振り返ると小道がある。さっそくジャングルの奥へ分け入っていこう。
スイレン池をぐるっと回り込みながら、胡蝶蘭や鮮やかな熱帯の花ばなの間を進むと、入り口から見えた見事な滝が近づいてくる。実は、この滝の裏が洞窟通路になっていて、通り抜けることができるのだ。滝の周りにあるものすごい量のモンステラの気根(モンステラの茎から延びる根っこ)達が、水量に負けないくらい滝のように垂れ下がっている。滝の裏側にある洞窟通路だなんて、大人でもちょっとワクワク演出。モンステラマニアにとってはさらにワクワク感倍増!
水しぶきがかかりそうなくらい滝の至近距離を通り抜け、少しずつ坂道を上がりながら進んでいくと、かやぶき屋根の南国風情な東屋が出てくる。



その東屋の手前にある分かれ道の左手は、さらに上へと登っていくちょっとした登山道的岩山通路だ。山頂にある見晴台に着くと、結構高いところに登ってきたことに気づく。足元には小川が流れ、その先が、先ほどの滝になって落ちているのがわかる。温室内に、こんなに高低差や豊富な水の流れなどがあることに驚く。



山頂の岩山から下ると、東屋のところに戻ってくる。



大きなバナナの木の横を進んでいくと、今度は比較的大きな川と、その上にかかる木の橋が出てくる。橋の左側が渓谷のように落ち込み、その先にもう一つの池や滝が見える。レストランのようなスペースも見え、はやくあそこに行ってみたいと思ってしまう。しかしジャングル通路はまだ続き、はやる心を抑えながら、さらに深く密林に分け入っていく。



この世の景色ではないような巨大なタコノキの足の間を登っていくと、先ほどの山頂と同じくらい高いところまで来る。大温室の終点展望台に到着。
このあたりは小笠原の植生を再現したドームで、巨大なオオギバショウ、通称タビビトノキが主役だ。
見晴台から歩いてきたジャングルを見渡す。あらためて見知らぬジャングルの奥地にはるばるやってきたような不思議な感覚に襲われる。
そして、ふと振り返ると、出口のドアが現れ、現実に引き戻されるのだ。



しかしこれで終わりではない。もう一つのドームとのあいだに、かわいい食虫植物のミニ温室がある。今までの温室とは違って、いかにも栽培育成用という感じの建物は、食虫植物という不思議な生き物の実験観察の場にふさわしい雰囲気を感じる。



そして最後の温室ドーム、イベントホールに下っていくのだが、ここは現在改修工事中。普段は企画展などで、多肉植物などが展示されていたりする場所だ。オリンピック開催に合わせて、たくさん訪れるであろう海外の観光客を迎えるために、この夢の島熱帯植物館もいろいろと改修されるとのこと。改修後が楽しみだ。

ジャングル一望!自慢の熱帯カフェ

現在閉鎖中のイベントホールの通路を抜けると展示室は終了。しかし最後に、この夢の島熱帯植物館自慢のカフェが現れる。
このカフェの素晴らしさは、なんと言っても座席から見える温室ジャングルの絶景だ。先ほど通って来た橋や最後の見晴台から見えた窓の明かりはこのカフェなのだ。落ち込んだ渓谷の底にあった池の水面のすぐ横に座って、ランチやコーヒーを楽しむことができる。大きな窓からは生い茂ったヤシやモンステラ、そして2つの滝が見える。温室マニアにとってみれば、ディズニーランドに匹敵するようなアトラクションだ。できれば窓に貼られている大きなガラスを取り払って、もっとジャングルを体感したいとも思うが、それは贅沢すぎるのか。ここでは、ロコモコやがパオライスのような南国雰囲気のランチが食べられるだけでなく、シンハービールなどアルコールまで楽しめてしまう。まさにここは楽園、夢の島の中の夢のカフェだ。



カフェの前には売店がある。種類は多くはないが、サボテンや多肉植物、小鉢の観葉植物なども売っている。てぬぐいなどのオリジナルグッズもある。気になったのはカクタスキャンドル。

これですべて一周して入り口に戻ってきた。

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