ARTIST SELF-PRAISE 作家自画自賛

2017.08.31

ARTIST

劇場公開、配信、DVD化。
日本映画界の問題点はないのか?

『千年の糸姫』撮影風景より [ふるいち監督]:こうして作品を作り上げるまでは良いのですが、それを皆さんに観てもらうとなると一筋縄にはいきません。日本の映画館と配給会社のシステムやマスコミの考え方はとても古典的で、大きなお金を用意しなければなかなか映画館で上映することは叶わないのです。幸い、この作品はアメリカのSHAMI MEDIA GROUP(http://www.shamimediagroup.com/video.php?id=476)という配給会社と契約を結ぶことができましたが、彼らが一番最初にやった事がAmazon(https://goo.gl/1ctXtg)からの世界配信です。そして間もなくiTunesやGoogle Playからも配信される予定です。これには少し驚きましたが、彼らの考え方には劇場というお金も手間もかかるメディアはほとんど頭になく、それは他のディストリビューターも同じような事を言っている事からも、どうやら世界の常識となりつつあるようです。もちろん作った者としては大きなスクリーンとスピーカーでしっかり観てほしいという思いはありますが、ちょっと考え方を変えなければいけないのかもしれませんね。そういう訳で日本での劇場公開は自分でやらなきゃならない。その為にクラウドファンディング(https://www.booster-parco.com/project/244)も始めてます。やっぱり一度はね、諦めきれませんよ。でも本当に手間もお金もかかる。ぜひご協力をお願いしたいところです。

二宮:私もぜひ映画館で見ていただきたいと思います。すごく表現するのは難しいけど、この映画での日本の表現は、何もかもを説明するのではなく、日本人独特の間合いとか呼吸の中でコミュニケーションを感じ取る“行間”のようなものがあると思うのです。そこにすごく熱いものを各々が持っていて、でも他人に押し付けるわけではなく、その想いが一つになっていく。そんな不思議な感覚がこの映画にはあると思います。その“間”のようなものは、早送りせずにじっくりと向き合ってほしい。
そんな気持ちを込めて、映画館でじっくりと向き合ってほしいなと思うのです。


映画=メッセージという監督の想い

[ふるいち監督]:この「千年の糸姫」には平和のメッセージが隠されています。ざっくり言うと、恨みというものを忘れないと平和は訪れない。日本はそうして70年以上もの平和を手に入れた。これを世界の恨みが続く方々に見てもらいたいのです。なぜ、物語の中に隠したのかというと、日本人として平和の在り方がこっそりと伝わればいいと思っているからです。11月には台湾での上映が決まりつつあります。まずは中国の端っこで目標達成です。映画は政治でも教育でもありません。だから国境を簡単に越えられる。少なくとも僕はそう考えています。だから確かな答も落としどころも必要ない。一つのものの見方を示せばいいんだと思います。世界はそう簡単に変わらないだろうし、そもそもアートや文化にそんな力はない。でも、なんとなく人の心に宿る可能性はあると思うんです。“Imagine”や “We are the world”みたいに。これは映画作家としての僕の大切な姿勢です。映画は美術であり文学であり、そして役者の声も含めた音楽でなければならないと思っています。そしてこれからもそういうメッセージを込めた作品を作っていきたいと考えています。


ふるいちやすし

1959年 京都市出身
脚本、監督、撮影、編集、音楽までも一人でこなすマルチプレーヤー。8年前に起こった革命的な技術革新により、飛躍的な表現力を得たビデオカメ ラにいち早く飛びつき、以来、デジタルシネマのパイオニアとしてフィルムに劣らない劇場レベルの作品を次々に産み出す。その新しい製作手法は、 従来の常識を覆す小編成チームに依る、コミュニケーションとフレキシビリティを重視するもので、著書に「映画のようなデジタルムービー表現術」(玄光社)があり、専門誌での連載を持ち、全国に信者も多い。海外でもその映像美への評価は高く、映画祭では脚本、撮影、音楽、そして監督と、全 てのカテゴリーで授賞経験を持つ。特に、2017年2月にはロンドン・フィルムメーカー国際映画祭に於いて最優秀監督賞(長編外国語映画部門)を授賞。同作品「千年の糸姫」はアメリカ、SHAMI MEDIA GROUPと配給契約 を結び、すでに全世界へ配信されている。

【受賞歴】
2007 「サイコロコロリン」 *SKIP CITY 国際Dシネマ映画祭・正式上映作品
2012 「彩~aja」 *モナコ国際映画祭 最優秀オリジナルストーリー賞 最優秀撮影監督賞 最優秀オリジナル音楽賞 最優秀新人俳優賞(笠原千尋)
2013 「艶~The color of love」 *モナコ国際映画祭 最優秀アートフィルム賞
2017 「千年の糸姫」 *アジア国際映画祭・正式招待作品 *ロンドン・フィルムメーカー国際映画祭 最優秀監督賞(長編外国語映画部門) 他4部門最優秀賞ノミネート (主演女優・主演俳優・音楽・ヘアメイク) アメリカ・SHAMI MEDIA GROUPより世界配信(英題:”1000 YEAR PRINCESS”)

【著書】
「映画のようなデジタルムービー表現術」(玄光社)
「ロンサムビデオの流儀」(ビデオSALON誌で連載中)
「東京Petit-Cine協会」(PRONEWS http://www.pronews.jp/column/yasushi-furuichi にて連載中)

【ブログ】
http://ameblo.jp/loo-ral/

【Facebook】
ふるいちやすし:https://www.facebook.com/yasushi.fuluichi 千年の糸姫:https://www.facebook.com/千年の糸姫-Ito-1000-year-princess-684493405011749/

二宮芽生(にのみやめう)

株)リボーン所属
生年月日: 1992 年7月20日(24歳)
出身地: 沖縄県
血液型: O 型
身長: 158cm
趣味: フルート、演劇鑑賞、美術鑑賞
特技: ドイツ語、ピアノ、水彩画、料理

【学歴】
2008 年 ウィーン日本人学校
2011 年 ドイツ桐蔭学園高校
2015 年 聖心女子大学哲学科

【映画】
■2017年「千年の糸姫」監督:ふるいちやすし 主演・糸、糸姫役
ロンドン・フィルムメーカー国際映画祭 正式参加作品 最優秀主演女優賞ノミネート
アジア国際映画祭 正式参加作品
■2016年 「歴史の時間<」監督:ふるいちやすし 河合奈緒 役
第8 回沖縄国際映画祭出展作品
■2016年「ゲーテ診療所」 監督:井川啓央 津守メイ 役
■「人を乗せる~But Life Goes On~」監督:神田裕司

【雑誌】
■週刊ヤングジャンプ(2013年)

(Text:ふるいちやすし| Y.Nag)
(Photo:Yuuko Konagai)

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