TOKYO SLEEPER 東京快眠

2015.11.17

SLEEPER
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東京快眠指南 Vol.16
by Megumi Kaji
快眠にとっての光との付きあい 

秋が深まり、日の暮れもずいぶん早くなりましたね。
“秋の夜長”のことば通り、今は一年の中でも、暗くなって明かりをつけて過ごす時間が長い季節です。
睡眠に与える影響として、「光」は一番強い要素といえます。太陽の光も部屋のLED照明の光も、スマホやタブレットなどのディスプレイの照明も、睡眠に作用する光の刺激です。
「メラトニン」というホルモンは、睡眠リズムを安定させるホルモンです。入眠前から分泌が始まりますが、明るい光、短い波長の青白い光を浴びると、分泌されにくくなるのです。家のリビングの照明は通常約400~500ルクスと言われていますが、眠るまでの時間を過ごすことが多いリビングの光環境が、睡眠に悪影響を与えてしまうことがあります。夜はこうこうと光る天井の照明はオフにして、赤っぽい暖色系の照明を、直接光が目に入らない間接照明として用いる方が心地よい眠りにはおすすめです。また、入眠前にPCや携帯、スマホなどのディスプレイを長時間見ることも脳を覚醒モードに切り替えてしまう原因になります。寝つきが悪いなと思うときは、なるべく避けるようにしましょう。
睡眠中の明るさについては、0.3ルクス程度の明るさ(月明かりレベル/何となく室内が見える程度)が睡眠にはよいと言われています。夜中、トイレ等で起きたときは、明るくし過ぎず、足元中心に10ルクス程度の薄暗さにしておくのがよいでしょう。
反対に、朝は明るい光、2500ルクス以上の明るい光を浴びると、身体が朝だと感知し、体内時計がリセットされます。遮光カーテンで真っ暗にするよりも、カーテン越しに徐々に明るくなるような寝室で寝起きした方がスムーズに起きることができます。冬に向かって日の出が遅くなり、起きる時はまだ暗いという場合もあるかもしれません。最近では、光による目覚ましも発売されています。季節に応じてそういった機器を活用することで、体に無理のない目覚めができるかもしれません。
光とうまくつきあうことで、これからの季節の快眠を手に入れませんか。

鍛冶恵
東京生まれ。1989年ロフテー株式会社入社後、快眠スタジオにて睡眠文化の調査研究業務に従事。1999年睡眠文化研究所の設立にともない研究所に異動後、主任研究員を経て2009年まで同所長。睡眠文化調査研究や睡眠文化フォーラムなどのコーディネーションを行なう。2006年、睡眠改善インストラクター認定。2009年ロフテー株式会社を退社しフリーに。2010年、NPO睡眠文化研究会を立ち上げる。
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