TOKYO SLEEPER 東京快眠

2017.10.05

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東京快眠指南 Vol.33
by Megumi Kaji
秋の乾燥と眠り

寝苦しい夏があっという間に過ぎ、これからの季節、眠りをさまたげるものと言えば寒さが考えられますが、それだけでなく乾燥による肌の痒みを挙げる人も多いようです。肌の乾燥による痒みを解消することで熟睡感が得られた という実験結果もあります。どういうことかというと、皮膚のかゆみを感じても睡眠中は無意識に掻いてしまうため、肌が荒れてさらに掻いてしまうという悪循環におちいる危険性があるのです。そうなってしまうと睡眠もさらに妨げられてしまいます。また、良質の睡眠がとれないと、肌の新陳代謝をつかさどる成長ホルモンが分泌されなくなってしまう逆の流れもあります。

別の研究によると、寝具の使い方にも注意が必要のようです。電気毛布を使ったときや入浴後は血行がよくなって痒みが強くなりやすいそうで、電気毛布の使用を止めただけで痒みが止まったケースもあるようです。これからの季節、ベッドの中を温めるために布団乾燥機や電気毛布を使う方もいるかと思いますが、電気毛布を使用する場合は、つけっぱなしにせず、就寝までスイッチオンにしておき、布団に入った時には消してから寝るようにしたほうがよい でしょう。

入浴は、冷えを解消して眠りにつきやすくするためには効果的ですが、体温が上がることで肌の「かゆみ」がつらくなる方もいるかもしれません。皮膚の乾燥を抑えて睡眠の質を少しでもよくするポイントとしては、保湿効果のあるボディローションなどを、寝る前か風呂上りに塗るとよい でしょう。そして、乾燥によって静電気が起きやすくなりますので、睡眠中の下着やパジャマは肌にやさしい天然素材、例えば木綿などがおすすめです。洗濯した際に洗剤が残ると肌への刺激になるので注意が必要です。

鍛冶恵
東京生まれ。1989年ロフテー株式会社入社後、快眠スタジオにて睡眠文化の調査研究業務に従事。1999年睡眠文化研究所の設立にともない研究所に異動後、主任研究員を経て2009年まで同所長。睡眠文化調査研究や睡眠文化フォーラムなどのコーディネーションを行なう。2006年、睡眠改善インストラクター認定。2009年ロフテー株式会社を退社しフリーに。2010年、NPO睡眠文化研究会を立ち上げる。
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