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2016.04.26

vol.10 TOKYO Go Out !
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海外から次々と上陸、国内でもジャンルの細分化や、音楽以外のスタイルを取り込み、年々増え続ける音楽“フェス”。フェスに出かける人口も増加傾向にあるという(TOKYOWISE Vol.9内 “クラブシーンは低調になっているのか?”)。CDセールスやクラブシーンなど、縮小傾向にある音楽産業と相反してポジティブな経済効果を生んでいるわけだが、あまりにも種類が増えすぎて情報過多になり、行きたかったフェスがいつの間にか終わっていたりすることも。これだけそれぞれのニーズにあった多種多様なフェスがあるのだから、自分にぴったりのお気に入りを見つけたいものだ。

大型フェスの実態


日本が誇る大型フェスの魅力はなんといってもその豪華なラインナップ。武道館でのワンマンライブでも満席にできるレベルの世界的に有名なアーティスが多数ブッキングされ、決して安くないチケットでも、お得にすら感じてしまう。 しかし実際のところ、例えば FUJI ROCK FESTIVALは国内最大と言われるだけあって全国からものすごい数の人が集まり、数ヶ所に点在する会場を行き来する道は渋谷のセンター街並の混雑ぶりで、こんな山の中に来てまで日常と変わらない風景に、げんなりしてしまった記憶がある。SUMMER SONICは室内のため気候に左右されず、都心からも一時間弱という条件がインドア派にも受け入れやすいビッグフェスだが、アイドル系のアーティストの出演もあり、その人気の割に小さすぎるステージにブッキングされたため、フロアがオタク系のおっさんでごった返し、前方にいる数名が窒息しかけて担架で運ばれるという事態を目の当たりにしたことがある。これもまた「うんざり」した体験である。フェスティバルなのだから人が多いのは仕方がないが、もっとピースフルでゆるく楽しめる、それでいて客のマナーがいい大人なフェスをご紹介したい。

今回、ピックアップしたフェスの中でも特に注目したいのが、「Rainbow Disco Club」(以下RDC)。立地、ラインナップ、雰囲気、サウンドシステム、客層すべてにおいて筆者的には星5つの好評価フェスだ。昨年、会場を晴海客船ターミナルから東伊豆に移して二度目の開催ということで、今年のイベントの思い入れなどをオーガーナイザーのツチヤマサヒロ氏に伺った。

Rainbow Disco Club2016の魅力とは?


ー会場を都心の晴海から伊豆に移したのはなぜですか?また、どのような変化がありましたか?

ツチヤ氏:以前は「都市型フェス」と称されていたんですが、元々自分がやってみたいなと思ったのは実は今のような自然の中の会場だったんです。晴海はオリンピックの工事が入る関係で、いずれは使えなくなると何年も前から警告されている危機感もあり、2年くらいかけて車を走らせて新しい会場を探しました。東伊豆カントリーコースを初めて見たとき、ものすごくきれいな場所で、着いた瞬間、会場にしたときの絵が見えたんです。行政の方々もとても協力的で、「ここでならやれるだろう。」と直感して決めました。都内で行われるフェスはその日の天気や気分などで参加できる気軽さはありますが、伊豆の会場ではキャンプしたり、近くの温泉に入ったり、子連れの方も多いですし疲れたら休んだり、カップルや友達同士で来て遊んだりと、それぞれのペースで過ごすことができる。そういう別の魅力を出せたので、自分たちにとってもメリットがありました。現地の人たちもおおらかで、自然と自分もやさしい気持ちになれたり(笑)。

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ー今年はRDC過去最高のラインナップですね!ブッキングはどのように進めているのですか?

ツチヤ氏:いつもみんなに聞いておいて、最終的に僕が全部決めています(笑)。ヘッドライナーのAndrew Weatherall (アンドリュー・ウェザオール)に関しては、数年前からずっとオファーしていて、今回ニューアルバムをリリースするというタイミングとも合い、OKいただきました。Gilles Peterson(ジャイルス・ピーターソン)はWorld wide sessions出演で来日する機会があったので、松浦俊夫さんにご協力いただき、出演に至りました。アンドリューとジャイルスはどちらもイギリスを代表するDJだけれど、実は今まであまり接点がないように思えるんですよね。だから今回、イギリスのベテランDJ対決ということで、歴史的にも音楽業界にいる方たちやライターさんなんかには、興味深いブッキングだと感じてもらっていると思います。

ー初めてRDCに参加する方に、楽しみ方のアドバイスはありますか?

ツチヤ氏:音楽を楽しんでもらうことはもちろんですが、テントサイトにいても音は聞こえるし、夜になると止まるので、のんびり仲間とお酒を飲みながら過ごしたり、人とのコミュニケーションをとる時間を楽しんでほしいですね。わざわざ伊豆まで旅するわけだし、誰といったか、どこへ行ったか、音楽以外にも、パーツパーツの思い出がたくさんできると思うんですよ。自分たちも去年そうだったし。とにかく自然の中で好きな人たちと過ごすことを楽しんでください!天気は大丈夫だと思うんで(笑)。

いずれはキャンプ場を経営したいという、世田谷区は三軒茶屋出身のツチヤ氏。海、山、川など自然が大好きだという都会人の彼が未開拓の地に創り出した新生Rainbow Disco Clubは、伊豆という絶好のロケーションで、我々をカラフルな音の世界に連れて行ってくれるに違いない。

■RAINBOW DISCO CLUB 2016
公演日程 : 2016年4月29日(金) 9:00 〜 5月1日(日) 19:00
会場 : 東伊豆クロスカントリーコース 特設ステージ
オフィシャルサイト: http://www.rainbowdiscoclub.com/


さてこの流れで、立地、ラインナップ、雰囲気、サウンドシステム、客層という評価基準にておすすめ度の高い関東圏内のフェスをご紹介しよう!

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