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2016.10.14

vol.13 TOKYO FOOD

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<牛肉の価格高騰の裏話>


それにしても、昨今の牛肉の価格高騰は頭も財布の中身も痛い。肉ブームだからこそ、色んな美味しい肉を食してみたいと思う反面、自宅でも外食でも美味しい牛肉を食べるのは容易でない。特に、ヘルシー志向の人に人気の牛タンの価格変動は目を見張るものがある。その背景には一体どんな理由があるのだろう?

「牛タンは一頭につき一本しか取ることができません。タンには分厚い皮があり、それを取った後に残る重量、食べられる部位(タン先、タン元など)が限られてしまうので、そもそもの価格が高く設定されています。仙台では、牛タンは地元の名物であり、居酒屋でも手軽に食べられるものでしたが、今は、東京を中心に各地で食べられるようになり専門店も増えました。価格高騰の裏には、一定量しか供給できないものに対して、卸先や消費者の増加により小売価格もメニュー価格も釣り上がってしまうという理由があります」

和牛も牛タンも、流行を追ってたくさん食べ過ぎてしまうと消費者である私たちの痛手になりうるかもしれない。手軽に美味しく頂くためには需要と供給のバランスが大事のようだ。

<肉のプロに聞いた食すべき部位と食べ方>


近頃はスーパーでも様々な牛肉を購入することができるようになったけれど、「上手く焼けない、肉が硬くなってしまう」という苦い経験、「新鮮かつ美味しい牛肉が食べたい」という思いから外食を選ぶ人も少なくないのでは。そんな時、ぜひ参考にしてほしいのが、冒頭で触れた新宿の肉料理店(主に焼肉店)に聞いた、“肉本来の旨さが味わえる部位と食べ方”。「希少部位によって提供できる量に限りもありますが、行った先のメニューにあれば食べて損はないと思います」や、「肉質・甘み・食感も異なるので、自宅で気軽に食べることができない部位は専門店で食べるのがおすすめ」などの意見と勝手な感想を元に下記の7種をピックアップ! 

⚫︎タン元 ー 肉厚なのに柔らかく、歯ごたえと旨味が存分に楽しめる

⚫︎シキンボウ ー 外モモなので噛みごたえ有り。食感がクセになる

⚫︎リブ芯 ー 赤身と脂のバランスが絶妙。余計な味付け無しにパクリ

⚫︎ブリスケ ー 肉質しっかり。噛むほどに脂が出てきて味の変化◎

⚫︎リブロース ー 鼻から抜ける肉の旨味&とろける脂の甘さが魅力

⚫︎イチボ ー 柔らかい肉質と脂質の好バランス。ランプより希少

⚫︎スネ ー 隠し包丁の有無で食感が変わる。肉質・旨味・食べ応え有り

上記の部位については、「素材の鮮度や旨さ、保存のための技法や好みによって志向が変わることもありますが、肉の旨味を味わいたいなら塩がおすすめ」だとか。岩塩、抹茶塩、トリュフ塩、ワイン塩、竹炭塩などを添えてくれるお店もあるので、味の調和を堪能しながら、自分好みの肉と味を模索してみるのも悪くないのでは?!

肉の魅力、肉好きならではのこだわりや味わい方は人それぞれ。
興味とちょっとした情報を頭の片隅に、自分好みを追求したり、誰かと共有してみるのはいかがでしょうか。

(Text & Photo:Miyaan

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