教えて外国人!東京未来予想図2017 Alien in Tokyo

2017.02.16

vol.15 TOKYO NEXT
vol.15 TOKYO NEXT

TOKYOに暮らす外国人が語る「これからの東京」


今回のテーマ“TOKYO NEXT”を考える時、東京生まれも、東京生まれでない人も、小さな時からTOKYOを意識してきたわけで、若干、客観性に欠けるというか、自分主体で考えてしまうのが性。それじゃ、最も客観的な判断をしてくれそうな東京在住の外国人に、<Now & Future>をどう観て、どう考えているかを聞くのが早いのではないかと考えた。

例えば、東京に暮らす外国人について。総人口は、ここ30年で3倍以上に増え、今では港区や目黒区、新宿区、中野区の人口をはるかに超える477,354人にものぼる(2016年10月1日現在)。今後も、観光客と共に、居住する外国人が増えることは容易に予測できるだろう。

今回は、東京在住25年のイラン人経営者の方をはじめ、ドイツ人建築デザイナー、フランス人パフォーマー、多彩なゲスト3名に集まっていただいた。国際都市とは標榜するものの、言葉の壁や風習なども含め、まだまだ世界の田舎感のある東京を彼らの視点で語っていただこう。

アンネ・マリー・ハイデックさん/建築デザイナー

「日本はすごい国!東京はユニーク!」
そう気づかせてくれたのは、外国人



―東京の面白さって、何だと思いますか?

アンネ・マリー・ハイデックさん(以下、アンネ):建築ですね。例えば、私が一時期留学していたパリでは、景観を守るために、厳密な手続きやルールが定められています。だから、建てるのも壊すのも大変。その点、東京は建築家にとって最高の街だと思います。あとは、ファッションですね。

心の声:海外だと若手建築家がビル全体のデザインは難しいから、まず内装からって聞くから、そういう意味で景観関係なく建てられる日本は建築家にとっては天国なのね。

アレックさん(以下、アレック):私もファッションが面白いと思います。ストリートファッションからユニクロからギャルソンまで、何でもそろっている。そのバラエティって、単純に凄いなと。

心の声:確かにパリやロンドンの若者はかなり地味だもんな。。

フィリップ・エマールさん(以下、フィリップ): 同感です。日本の方はヨーロッパの人に比べると、シャイな傾向にあると思うのですが、ファッションとなると、非常に多彩。そのギャップが面白い!東京では、洋服の着こなしに、人それぞれのイマジネーションがより強く、ダイレクトに反映されていて、ひと括りにはできない、さまざまなスタイルがありますよね。

心の声:要するに、固有の文化に縛られていないということが、東京の魅力と感じているようだ。要はごった煮w。こちらとしては、その無節操さに比べ、海外の節操のある感じが新鮮なわけで、無い物ねだりの典型かもしれない。

―近年、伝統文化や食文化など、日本らしさを見直す動きが活発ですが、何か身近で感じることはありますか?

アレック:日本人がなぜ自分たちのことをもう一度見直しているかというと、「日本って、すごい国なんだぞ!」っていうことを外国人に教えられたところが大きいと思うんです。文化、技術、テクノロジー…この国が持つさまざまな素晴らしさを、外国人観光客や私たちのような外国人居住者がリスペクトする。それが、日本の価値や魅力を再確認するきっかけになった部分は、大いにあるんじゃないかなと。

心の声:日常と非日常の差ということかもしれないけど。

アレックさん/経営者・俳優
アレック:25年前、私が東京に初めて来た頃は、外国人の旅行者もほとんどいなかったし、どこに行っても、「あ、アメリカ人だー!」って言われましたね。特に子どもたちには(笑)。今は、電車に乗っても、街を歩いていても、聞こえてくるのは、日本語よりも、中国語や韓国語の方がダンゼン多い。こうした街の変化は、経済にとって好影響をもたらすとは思いますけれど、日本をこよなく愛する私としては、日本語がもっと聞きたい(笑)。若干、寂しい気持ちもありますね。

フィリップ・エマールさん/パフォーマー、歌手、クラウン(道化師)


東京の人たちは、同じ地平線を見ている


フィリップ:ボジョレーヌーヴォーが、フランスよりも日本でビッグなことを見ても分かるように、東京の人々は、季節ごとのイベントやお祭りに対してアクティブで素晴らしいと思います。バレンタイン、ハロウィン、クリスマス…フランスでもお祝いしますが、どちらかと言うと、より観客的な楽しみ方です。イベントのための雰囲気づくりはもちろん、その時々に、ビジネスや特別な機会を創出するのは、東京が天下一品。

あと、人々が同じ方向を向いているように感じます。もしここに広い海があったとして、ヨーロッパなら、個人的な小さなボートがたくさんあって、色んな方向に向かうところ、東京には、いくつかの大きなボートがあって、「夢」や「プロジェクト」といった、同じ地平線を見ている、そんなイメージがあります。


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