55万部突破の「翔んで埼玉」や「パタリロ!」の生みの親 魔夜峰央先生インタビュー Patariro&Flying to Saitama

2017.03.27

vol.16 MY BOOM

魔夜先生が影響を受けたあらゆるもの


──以前、マツコさんがMCを務める『アウト×デラックス』にご家族で出演されたのを観ました。その時に先生のバレエ姿の写真も紹介されて、テレビの前で目を見開きました! バレエや宝塚は奥様の影響とのことですが、先生の作品の中で印象的な様式美溢れる衣装や小物などへの影響もあるのでしょうか?

55万部突破の「翔んで埼玉」や「パタリロ!」の生みの親 魔夜峰央先生インタビュー Patariro&Flying to Saitama

魔夜先生:まぁ、綺麗なものが好きだということが根底にあると思います。それが、物であっても、女性であっても、男性であっても。

──美少年キャラに通ずることもあるのでしょうか? 私は、『翔んで埼玉』の主人公の麗麻美と白鳳堂百美、『パタリロ!』のバンコランとマライヒの関係性、やり取りや会話が大好きです。 

魔夜先生:美少年キャラは、半分は女の子であり、半分は男の子で、描くなら美しいほうが良いと……、その反動でオカマさんを描いたりもしますからね。綺麗なものばかり描いていても飽きてくるから(苦笑)。真逆を描くのも楽しいですよ。

──うわー!!! オカマさんといえば、『パタリロ!』の密航船の話、パタリロの悲劇※1を思い出します! 何度、読み返しても衝撃と笑いがあります。

魔夜先生:そうそう! 汚ったないオカマさんが出てくる、あれが一番好き。

編集部N:先生の経験を元に描かれたのですか?

一同爆笑

魔夜先生::経験は無いですよ(笑)。漫画に登場するキャラに近い人が居るお店には何度か行ったことはありますけど、あくまで想像のキャラクターです。

再び、一同爆笑

──他に影響を受けた人や物があれば教えてください!

魔夜先生:ビアズリー※2ですね。時々、「ビアズリーに影響されていますか?」って言われます。ベタの使い方が似ているようで。去年、新潟の美術館でビアズリー展をやるということで解説に呼ばれて行ったんですけどね、原画がいっぱい飾ってあって、まぁ、細くて丁寧で綺麗。話を聞いたら、ビアズリーは、とても暗い所で描いていたそうで、私自身も新潟に居た若い頃、真っ暗に近いような所で描いていたことがあるんですよ。ゼットライトのような気の利いた物なんて無かったですから、机に付いている薄暗い照明を使って描いていたんですよね。今考えると、ビアズリーさんもそうであったように、暗い所のほうが細かい絵が描きやすかったんじゃないかと。明るい所で細かい絵を描いていたら目をやられちゃいますからね。暗闇の雰囲気を取り入れながら描くという点においても理にかなっていると思います。原画の中には、歌川国芳の浮世絵や『エイリアン』のデザインで知られるギーガに似ているものがって、どれもそれぞれ影響されたものなんだそうです。国芳→ビアズリー→ギーガと流れがあるんですよね。私自身もビアズリーの一派ですよね。

──先生が描く絵は、キャラクターだけでなく背景も含めて、一コマ一コマ細かいものが多い印象です。何か理由があるのでしょうか?

魔夜先生:私ね、空間恐怖症なんですよ。描き込まないと落ち着かない。隙間があると恐くて仕方がない。だから、細かい訳のわからないものを描いちゃったり。もちろん計算して描いているものも多くありますけどね。

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