「炭水化物×炭水化物」は禁断の味 コロッケ、ヤキソバ、ポテサラ 総菜パンの名店5選 Best of Japanese Dogs

2017.04.06

vol.16 MY BOOM

コロッケパンといえばここ!
チョウシ屋(東銀座)


チョウシ屋(東銀座)

『炭水化物×炭水化物』の惣菜パンで、忘れてはならないのが、コロッケパン。土地柄、美味しい食べ物の多い東銀座にも、惣菜パンの名店がある。1日3食以上パンを食べ続けまもなく四半世紀を迎えるという、パンコーディネーター・福地寧子さんが、TBSテレビ「マツコの知らない世界」でハムカツサンドを紹介していたが、その福地さんによると、ココはコロッケパンもイケるらしい。昭和2年創業のチョウシ屋は、コロッケ、ハムカツなどの惣菜と、それらを挟んだ惣菜パンのお店。パンは角形食パンとコッペパンの二種類があり、コロッケパンには断然コッペパンを選んでいただきたい。昔ながらの包装も可愛らしいので、お持たせにも喜ばれそうだ。

チョウシ屋(東銀座)

コロッケパン(300円)
目の前で挟んでくれるコロッケは、カラッと揚げられ、ごろっとしたじゃがいものホクホク感のあるもの。ノーマルのコロッケパンはコロッケひとつが半分にカットされ横並びになっているが、コロッケ感を存分に楽しみたい方は、ダブルコロッケ(480円)にしても良さそうだ。単品でも販売をしているオリジナルのソースを絡めたコロッケだが、冷めてもサクッとしているのには驚きだ。野菜と果物の甘みのあるソースを、パンに塗られたからしが引き締め、上品な美味さ。若干塩気を感じるパンの断面は気泡が多く、パフっと空気を含んだもので、コロッケを優しく包んでいる。昔からファンが多く、お昼の部(11:00〜14:00)/夕方の部(16:00〜18:00)と分かれているが、なくなり次第終了してしまうので、心配な方は営業時間前までに予約の電話をしておくとよい。来店時間に合わせ準備をしてくれるという配慮も嬉しい。

<チョウシヤ>
住所 : 中央区銀座3-11-6
TEL : 03-3541-2982
営業時間 : 11:00~14:00 16:00~18:00(売切れ仕舞い)
定休日 : 土日月祝
アクセス : 銀座駅・東銀座駅から徒歩3分
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13012798/

王道の中の王道
  青木屋(三ノ輪)


青木屋(三ノ輪)

昔ながらの惣菜パン界では王道中の王道、青木屋のジャンボパン。改めて食べてもやはり美味しいので、マストで押さえておきたい一品として、あえてご紹介を。久しぶりに立ち寄った青木屋には、営業途中のサラリーマン、老夫婦など、次から次へと人が訪れ、皆美味しそうに頬張りながらその場を去る。その場ですぐに食べたくなるパンと、立ち寄る人々が自然に醸しだす雰囲気はあたたかく、とても風情がある。

青木屋(三ノ輪)
コロッケパン(250円)
ジャンボパンとの名が相応しい、大きいパンに大きいコロッケ2つが挟まれた、ボリューミーな一品。上面だけだが、多めにかかったソースでしっとりとした質感に、サクッとした食感がわずかに残る。ソースがじわっと浸食した部分も魅力的なパンは、ほんのりと小麦の甘さが香る、きめ細かいもの。もっちり、しっとり、ずっしりとしていて、口の中でとろけるように、丁寧にマッシュされたじゃがいもとよく合う。

<青木屋>
住所 : 荒川区南千住6-47-14
TEL : 03-3807-4517
営業時間 : 7:00~18:00
定休日 : 日曜日、祝日
アクセス : 三ノ輪駅から徒歩8分
http://www7b.biglobe.ne.jp/~aokiya/index.html
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13008438/

フォトジェニックな惣菜パン
オーロール(三ノ輪)


オーロール(三ノ輪)

青木屋に向かう途中、三ノ輪をパトロールしていたところ、旨い安いに加えフォトジェニック、これから人気がでそうなパン屋を発見。惣菜パンといえば地味な見た目だが、鮮やかな配色とコロンとした見た目がとても可愛い。どちらかというと菓子パンが主力商品のようだが、ひっそりと、しかも100円で売っている惣菜パンのクオリティーに驚くこと間違いなし。「お取り置きしてもらっていいですか?」とお願いすると、「名も知られてないこんな感じの店なんで、予約なんてしなくてもありますよ。笑」と失笑されたが、ご謙遜以上に美味しいことを、店長にお伝えしたい!写真にあるのはナポリタン(100円)。

オーロール(三ノ輪)
やきそばパン(100円)
紅生姜、錦糸卵、キャベツと、具沢山!正直、焼きそば単体ならこれが一番美味しい。ソースの照りと甘さ、麺の太さと硬さ、どれをとってもバランスが最高。パンは単体で食べるとパサパサ感極まりないが、『炭水化物×炭水化物』の惣菜パンのためだけに生まれてきたようなパンである。多めの焼きそばを口の中でひとつにまとめてくれるように、このパサパサ感と焼きそばとのバランスが本当に旨いのだ。

<オーロール>
住所 : 荒川区東日暮里1-2-7
TEL : 03-3803-6874
営業時間 : 10:00 ~ 19:30
定休日 : 日曜、月曜の祝日
アクセス : 三ノ輪駅から徒歩1分
http://minowa-pan.com
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13098063/

ちなみに惣菜パンの発祥を調べてみると、他メディアにあるように、やはり焼きそばパン説が有力とのこと。南千住の野澤屋(*既に閉店) が販売していた焼きそばとコッペパンを、客に挟んでと言われたことから焼きそばパンが発祥、という説が、今もエピソードとして伝わっている。フードアナリストでもある福地さん曰く、惣菜パンはどこから発祥したとかではなく、自然発祥的なものではないかと推測されるそうだ。そもそも、パンと何かをあわせて食べるという手法は、紀元前の頃からされてきたとも言われているらしい。つまり、『炭水化物×炭水化物』の惣菜パン、この素晴らしき美味しさは、「挟んだら旨いでしょ、絶対!想像しただけで旨いわ!」と生まれるべくして生まれたものだろう。──いやいや、ちょっと待て!惣菜パン熱、盲目的すぎやしないか?年齢に適した美容や健康の概念が、ついつい吹っ飛んでしまう程、強烈に惣菜パンにどハマりしてしまっている。
最後までお読みいただいた皆様、いい年齢になった大人ほど、一度ハマると重症化するので、ご注意を。

(Text : たてがみりむ)

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