移住希望者も続出!? 新旧の魅力が混在する高尾 ミシュランが勧める高尾山の本当の理由とは TAKAO, Now & Then

2017.07.03

Vol.18 中央線快速物語
移住希望者も続出!? 新旧の魅力が混在する高尾 ミシュランが勧める高尾山の本当の理由とは TAKAO, Now & Then

東京を横断するJR中央快速線(高尾行き)の終着駅である高尾駅は、昨年、都心から移住したい街ランキングで上位にラインクイン。特快に乗れば新宿まで約40分ちょい、安価な家賃、自然豊かな環境などが人気の理由ではないかと推測。

“新しい・近い・擬似田舎暮らし”ができる、宅地化する高尾


古民家人気も手伝って、ネット上にも高尾移住推奨記事も散見されるようになった。ネット記事の中には※1、子育て環境には抜群的な論調が多く、通勤が大変なお父さんはさておきの感じがしなくもないが。とはいえ、東京のJRの最終電車が最も遅く到着する駅という名誉ある称号を持つのも、移住希望者には刺さる事実なのだろう。

そんな高尾駅は、南と北では表情がかなり異なる。南口は買い物に便利な京王ストアをはじめ本屋やコーヒーショップなどがあり、大型マンションも建っているので住環境重視と近代化の様子がうかがえる。それに反して、寺社建築のような趣ある駅舎を構える北口は開放感があり、左手には高尾山が見える。一言でいうならば長閑な印象だ。また、日本の名駅百選にも選ばれている。

寺社建築のような趣ある駅舎を構える北口
寺社建築のような趣ある駅舎を構える北口

高尾駅についてあれこれリサーチしたところ、北口の駅舎の今昔物語に興味を持った。現・高尾駅北口の駅舎は、昭和2年の大喪の礼※2において、新宿御苑に造られた大葬用仮停車場の用材を使用し、現位置に建てられた文化財的価値のある建築物といわれている。八王子市の公式HP※3には、「現在位置や隣接位置での保存を検討してきましたが、南北自由通路や新しい駅前広場の位置や形状などから、現位置付近での保存が難しい状況が明らかとなりました」という一文があり、高尾駅北の駅舎は、またもや移築が検討されているようだ。現在の場所に鎮座する北の高尾駅舎に興味がある人は、今のうちに行っておくのが賢明かも。

ミシュランが高尾山を勧める本当の理由


高尾駅の北口から国道20号沿いを歩いて30分前後(高尾駅で京王線に乗り換えれば高尾山口までの一駅)の599mの高尾山。多摩地区出身の私は、遠足やドライブで頻繁に訪れた&馴染み深い場所だが、今となっては昔の思い出とは違った印象。一番変わったのは、高尾山口の駅とその周辺。こじんまりと佇んでいた駅は、今や小洒落て立派な構え! 改札横に入口を設けた『京王高尾山温泉/極楽』も隣接させるという、登山者シフトも完璧。


それもこれもミシュランが発行する日本版観光ガイドの三ツ星(2007年から連続)で評価を受けた影響が大きいのだろう。「都心から近く、豊かな自然が残っている山」ということが、ミシュランの選考理由とされている。日本在住の人々にとっても外国人観光客にとってもお手軽かつ、趣深い(単なる山というだけでなく、薬王院の修験道の霊場としての由緒正しさもある)というわけで、年間登山者数世界一となっているらしい。

日本人らしい細やかなホスピタリティを感じる、泥の付いた靴を洗うスポット。昔はこんなの無かった(笑)。観光地化が進んでいると感じた一コマ。


高尾山に棲息する動植物を知ることができたり、登山のマナーやルートなどの解説もある『TKAO 599 MUSEUM』という施設。事前チェックに便利!

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