2017.08.28

Vol.20 アツい東京

こんな時代だからこそ、A&Dを聴け!


「A&Dは現代人の都市生活に置かれている環境がシビアだからこそ、必要な音楽だと思います。極端な話だと、江戸時代の人が一生かけて浴びる情報を、現代人は一日で浴びています。例えばオリコンランキングのトップ10に入るような音楽は情報量が多すぎることがある。A&Dは情報量が少なく、人をリラックスさせる音楽として、これから需要が増えていくはず。」

最近はヨガや瞑想をする人の人口が増え、ヨガにライブでA&Dの音楽をつけるというイベントの仕事も行ったという。
そういう畠山氏は自宅のリビングに6つのスピーカーを配置し、A&Dを楽しんでいるのだとか。

「さすがにそこまではオタクの領域でないとやらないと思うけど(笑)、最近はBluetoothスピーカーとか便利なものがあるし、家で読書とか家事をするときに、気楽にA&Dを楽しんでほしいですね。」

ちなみに私はiPadと自宅のコンポをケーブルでつなぎ、お気に入りの海外ネットラジオでかけられているアンビエントやドローンのチャンネルを聴いている。今は何でも無料で聴けるのがありがたい。ということでまだまだ暑い夏、A&Dで涼んでみてはいかが。

(Text:Nao Asakura
(写真提供:Chihei Hatakeyama)

※1 =インスト。ボーカルのない楽器演奏のこと。器楽曲。
※2 リヴァーブレイション。残響。音が物にぶつかり跳ね返る音。

畠山地平(Chihei Hatakeyama)
Chihei Hatakeyamaとして2006年にKrankyより、ファーストアルバムをリリース。以後Room40, Home Normal, Own Records, Under The Spire, hibernate, Students Of Decayなど世界中のレーベルから現在にいたるまで多数の作品を発表。デジタルとアナログの機材を駆使したサウンドが構築する美しいアンビエント・ドローン作品が特徴。ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカ、韓国など世界中でツアーを敢行し、To Rococo Rot, Tim Heckerなどと共演。NHKのEテレ「schola 坂本龍一音楽の学校シーズン3」にて、アルバム『River』収録の”Light Drizzle”が紹介され、坂本龍一、岩井俊二らからその場を空気を一変させる音楽と評される。映画音楽では、松村浩行監督作品『TOCHKA』の環境音を使用したCD作品「The Secret distance of TOCHKA」を発表。第86回アカデミー賞<長編ドキュメンタリー部門>にノミネートされた篠原有司男を描いたザカリー・ハインザーリング監督作品『キューティー&ボクサー』(2013年)でも楽曲が使用された。またNHKアニメワールド:プチプチ・アニメ『エんエんニコリ』の音楽を担当している。ソロ以外では伊達伯欣とエレクトロ・アコースティックデュオOpitopeとして、SPEKKから2枚のアルバムをリリース。佐立努とのユニットLuis Nanookでは電子音と伝統的なフォークサウンドが混ざり合う音楽世界で2枚のアルバムをリリース。ASUNA、Hakobune等ともコラヴォレーションアルバムを発表。マスタリング・録音エンジニアとしても、自身の作品のみならず、100作品以上を世に送り出している。2013年にはレーベルWhite Paddy Mountainを設立しShelling, Family Basik, neohachi, Federico Durand, suisen, Satomimagaeなどをリリースしている。
http://www.chihei.org/

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