2017.11.06

Vol 21.学ぶ東京

高卒で学位は取れる!?社会人から大学院へ 進学への道 それはさておき、日本に話をもどそう。試しに、慶應義塾大学の大学院の出願資格を覗いてみた。社会人入試の検索ですぐに出てきたのは政策・メディア研究科。出願資格の欄の一番下にはこのような文言が入っている。

5、本大学大学院政策・メディア研究科において「大学を卒業した者と同等以上の学力がある」と認めた者

つまり、この研究科に関係のある経験を社会で経験しており、その経験が研究に繋がると大学が認めれば、高卒であろうと入学が許可されるということだ。一次試験は書類審査と小論文試験。提出された資料と小論文で学力水準、研究意欲、研究能力を判断して合否が決まる。簡単そうに聞こえるが、ここはやはり、大学院、小論文がなかなか大変そうだ。与えられた資料を読んで、設問に500字程度で答えるとのこと。だが、資料には英文のものも含まれるため、英語の読解力が必要となる。二次試験は面接のみ。この二つの試験を合格すると晴れて入学が決まる。

慶應大学では英語の読解力が必要となるが、大学や学科により、英語を試験課題にしていない所もある。最近、人気が上昇している青山学院大学にも、社会人向けの大学院研究科がいくつかあるが、総合文化政策学研究科など一部の研究科では英語の試験は設けていない。社会人が大学院受験で整えるべきは大学受験の時のような5教科の勉強ではなく、研究の動機やテーマ。受験生の研究したいテーマとその大学が有している教授陣のテーマが合致するかが重要となる。もちろん、大卒レベルの基礎教養はあってあたりまえなのだが、いっぱしの社会人として蓄積してきた経験とデータを基に受験すれば、それほど難しいわけでもなさそうだ。

都道府県別に見た大学数の表を見ると、東京の大学数は138校で断トツに多い。つまり、東京に住んでいるのなら、それだけチャンスは多いとも言える。また、大学院の年齢別受験者数(全国)で見ると、29歳で586人まで落ち込むものの、30代ではまた多くなり、30歳から34歳では1907人もの人が受験している。そして、44歳まで1000人台をキープしているというデータがある。学びたいと感じた時が学び時だ。東京という立地を生かして、あなたの学び欲を開花させてみてはどうだろうか。

(Text:ジョーキョーマダム
(Illustration:ナガシマアヤカ)

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