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2015.02.27

vol.5 TOKYO STANDARD
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おひとり様の午前0時。私が夜な夜な東京を徘徊してきた中でも、知的充実度の高いひとときを過ごせる最強のスポットが、雑誌や本を取り揃えたブックカフェ&バー。30代半ばも過ぎてくると、本屋の立ち読みもしんどいし、漫画喫茶も味気ない。深夜営業のカフェに行くと、たいがい照明は暗過ぎるし、隣のカップルがイチャついて本など読めない。かといって、自宅に帰ると数々の誘惑と日常の雑事に取り込まれ、ゆっくり読書をする間もない。
そんなニッチなニーズにお応えすべく、最近、巷で増えつつあるブックカフェ&バーの中から、愉悦の読書タイムが深夜まで楽しめる店をご紹介しよう。しかも、深夜族の多いノマドワーカーにもおすすめの、Wi-Fi完備店をセレクト。
まっすぐ帰りたくない夜。真夜中の図書館で自分磨きしてみませんか。

スターバックス コーヒー TSUTAYA TOKYO ROPPONGI店

六本木ヒルズの開発とともに2003年に誕生した、スターバックスとTSUTAYAがコラボした初の店。今では全国26店舗に広がり定番化してきたこの業態も、開業当初はかなり画期的で、一躍おしゃれスポットとしても話題となった。雑誌から新刊の書籍までTSUTAYA1階で販売されている本を、スターバックスでコーヒーを飲みながら、立ち読みならぬ座り読みできるお得感には、10年経った今でもワクワクしてしまう。土地柄もあってか、洋書やデザイン・アート関連の本も非常に充実していて、普段手が出ないような本に出合えることも多いのだ。また、2014年の改装でテーブル席の数も増え、電源付きカウンター席など、気分や用途によって席を使い分けられるのも嬉しい。夜な夜な訪れて、最新のファッション誌を片っ端から読むもよし。気になっていた小説に読みふけるのもよし。自分のアンテナを磨くことのできる、自宅でも職場でもない、第3の場所(サードプレイス)として活用したい。朝4時までじっくり本と向き合うのにおすすめのメニューが、「ダブル トール ホワイト モカ (450円)」(ホワイト モカにショット追加)。ダブルエスプレッソでカフェインを注入しつつ、マイルドなホワイトチョコレートの甘みが、読書で疲れた脳を癒してくれるやさしい味わいだ。カスタマイズでキャラメルソースをトッピングすると、さらに濃厚なデザート感覚の一杯に。
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スターバックス コーヒー TSUTAYA TOKYO ROPPONGI店
東京都港区六本木6-11-1 ゲートタワー1F
03-5411-2667
7:00~28:00
不定休
http://www.starbucks.co.jp/store/search/detail.php?id=2002


Library Lounge THESE

ブックバーなどまだほとんどない1999年、その先駆けとして西麻布にオープンした「THESE(テーゼ)」。オーナーが海外で出会ったホテルバーをイメージし、書棚から自由に本を選んで読める大人のためのバーを作ったという。私が初めて訪れたのは十数年前になるが、暗いバーのカウンターに灯るリーディングライトの明りが何ともムーディーで、芸能人や業界人がお忍びで来ているのをよく目にした。旧店舗からほど近い現在の場所へ7年前に移転するも、かつてから漂う隠れ家的雰囲気、書棚に隠された個室などはそのままに、よりリラックスして本が読める空間となっている。蔵書はアートブックや写真集、旅、食、カルチャー系のものが多く、その数は3000冊を超える。店内の至る所に書棚が設置され、座る席によって未知なる本に出合える偶然性も楽しい。また、様々な国を取り上げるフェアも行っていて、現在は「北欧」をテーマに、本、ドリンク、フードを提供するイベントも飽きさせない。この店を訪れたらぜひ試して欲しいのが、開店当初から力を入れているフルーツカクテルとカレーだ。常時7種類以上取り揃えている「季節のフレッシュフルーツカクテル(1458円~)」は、旬の果物をはじめ、さとうきびやレモングラスなどの変わり種も。しっかりとお酒を効かせた大人仕様のカクテルは、リピートが止まらない美味しさ。また、スパイスをふんだんに使った「タンドリーチキンのバターカレー(1350円)」は、かつて「深夜のカレー激戦区」といわれた西麻布ならではの本格的な味わいだ。夜食とカクテルを楽しみながら、世界のカルチャートリップに酔える店、それが「THESE」なのだ。
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Library Lounge THESE
東京都港区西麻布2−15−12 カルテットビル1F
03-5466-7331
19:00~28:00(日・祝~26:00)
無休(年末年始休業)
チャージ500円(カウンター席は無料)
http://www.these-jp.com/


真夜中の図書館、こちらもオススメ

森の図書室
東京都渋谷区円山町5−3 萩原ビル3F
03-6455-0629
13:00~17:00、18:00~25:00
不定休
飲食代+席料(会員0円、非会員500円、会員権10000円)

クラウドファンディングでの資金調達に成功し、2014年にオープンした店。5000冊を超える蔵書は、小説から児童書まで様々。学校の教室のような温かみのある空間で、お酒や軽食と一緒に読書が楽しめる。会員には無料で本の貸し出しも行っているので、自宅でまったり読書派にも嬉しい。

Anjin
東京都渋谷区猿楽町17-5 蔦谷書店2号館2F
03-3770-1900
9:00~26:00
無休
夜22時以降、チャージ500円

代官山蔦屋書店の2階にあるライブラリーラウンジ。写真集やアートブック、日本のファッション、カルチャー系雑誌のバックナンバーが創刊号からほぼ揃っている、雑誌好きにはたまらない店。ゆったりとしたソファ席でコーヒーやカクテルと共に読書を優雅に満喫できる、ホテルラウンジのようなホスピタリティも魅力的。

(Text: Yumi Sato)
(Photo: Shinsuke Kamioka)

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