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2016.04.04

vol.9 TOKYO NUDE
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「確かに私、TVとか全然観ないんですぅ」


先日、港区某所でのレセプションパーティへ出向いた時のこと。一人で顔見知りもなく酒でも傾けていると、顔面偏差値がやたらと高い女の子が視界に入ったので、さっそく声を掛けて話すことになった。

若い子なのにオヤジや美魔女率が高いこういう場所にいる=この子は「キラキラ女子」×「ゆとり/さとり世代」×「軽快なSNS」といったイメージが脳内ですぐさま出来上がってしまうのは大人の男の悪い癖だが、それでも会話は弾んで彼女の流行インプット活動に話題が移り、冒頭の台詞をこの耳で聞いたというわけだ。

マーケッターどもは「TV離れ・車離れ・恋愛離れ」なんて言うけど、やっぱり本当だったのねと再認識していると、その時“事件”は起きた。片隅に“最近TVで売り出し中”のイケメン芸能人が立っている。こんな奴に何の興味もない。でも彼女は「あの人○○さんですよねぇ?」「女子に凄い人気があるんですぅ」とかやや興奮気味になり、最後には歩み寄って「一緒に写真撮ってもらっていいですかぁ~?」って。

お前、さっきはTVはまったく観てないって言っただろうが! 一体、心の中で何度舌打ちしたことか。さらに写真を撮らされる羽目にもなり、キラキラしたスマホを渡されて何度かボタンまで押してやった。笑顔を作りながらそんな役割に徹している自分に、その夜何よりも一番強い舌打ちをしてやりたかった。

皆さんも心の中で舌打ちを連発した経験はないだろうか? 前回の「今の東京は面白くない」と40代の男たちが口を揃えて言う本当の理由とは?では、現在の東京に漂う空気が「そんなに心地よくない」ことに対する経緯や原因、あるいは打開策を綴ってみたが、今回はもっと日常的な空間における“舌打ちシーン”を自らの体験と周囲の仲間たちにヒアリングして厳選してみた。名づけて「東京舌打ち事情」。

(以下、舌打ち度の高さを五つ星で評価)

定食屋のおばちゃんが親指を入れて味噌汁を差し出してくるのは舌打ち★だが、鮨屋でネタが差し出される度にいちいちスマホで撮影してる女には舌打ち★★★★
(解説)
男で知らない者はいない定食屋の暗黙のルール。逆にどこかで期待しているエンターテインメント。しかし、鮨屋で「わぁ、凄ーい!」などと言いながら、無断でカシャカシャと撮り続け(SNSにアップし)、目の前のものをなかなか口にしようとしない顔面偏差値が高いだけの女をこの目で何度見てきたことか。こういうのを連れている男に限って、なぜか周囲に向けて勝ち誇ったようなオーラを醸し出す。「いいね!」よりも驚愕の「言い値」が待っていることも知らずに。

パンケーキやポップコーン屋の前に並ぶ女子たちの行列には舌打ち★だが、しばらく経って人知れずその店に行ったらまだ流行ってて自分も大行列の一人に組み込まれている事態には舌打ち★★★
(解説)
スイーツ男子なら一度は経験したことのある悪夢。ブームが去った感を見誤った結果起こってしまった自己責任。「こんなのによく並べるよなぁ、ハッハッハッ」と人前ではよく口にしているので、何よりも知り合いに見られるのが一番恥ずかしい。そんな時は「これは縁結びの東京大神宮に大勢の女子やカップルが並んでいるのと同じことなんだ」と思って気を落ち着かせるしかない。

地下鉄の階段を下りる時、女たちのミュールの音が「カン! カン! カン!」と響くのには舌打ち★だが、公園のBBQにキラキラした服装でブランド物のバッグ片手にヒールの高いパンプスを履いてくる女には舌打ち★★★
(解説)
アウトドアにほとんど知識のない女子が結構やってしまう失敗(こちらは舌打ちなし。優しく笑ってあげよう)。タチが悪いのは、男が集まる→これは合コン→勝負服でも着てくかっという思考。当然のようにヒールが土に刺さって脱げたり汚れたりするが、「もう服まで肉臭いんだけど!」とか言って場を凍りつかせることも。稀にスニーカーを持参してくる女子がいるが、ここまでやったら逆に拍手。それにしても地下鉄構内に響くあの音が聞こえると夏の訪れを感じてしまう。

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