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2016.02.06

vol.9 TOKYO NUDE

ところで来場する方々の目的とは?


ふと思ったのが、これだけの数の来場者はいったい何を目的として来ているのか?まずは、会場を埋め尽くしている数々のブースを見れば予想がつくが、同人誌や企業販売商品などの購入目的が目的の一つなのは間違いない。一説によるとこの三日間だけで180億円近くの経済効果があるというから思わず耳を疑う。

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そして何と言っても私自身も楽しみにし、コミケの花形と言っても過言ではない “コスプレ” は、参加者数から見ても最大の目的の一つなのだろう。各々が好きなキャラクターになりきり、同じ作品が好きな人と話題や世界観を共有したりできるところが魅力のこの行為。衣装を買ったり、買ったものを作り直したり、人によっては、一から作る強者もいるほど。何より現実の自分とは違う自分になれる感覚は、長い人生のうちに一度くらい経験してみてもいいかも!?

ただ会場で衣装に着替えるのもかなりの一仕事らしく、コスプレをする人は、待機列に並んだ後もさらに、更衣室で並ばなくてはいけない。私も是非参加したい!という方は、事前にカタログの購入をして、コスプレエリアや更衣室の場所、ルールを確認しておくのがこの戦場で勝ち残るコツだ。現に我々もコスプレの達人である “ぽん太”、“春汰もな”、“彩香♂”の三名に事前に撮影協力を依頼していたが、彼女たちも衣装に着替えるのに苦戦していたのを目の当たりにした。もちろん着替え後も、両者コスプレエリアにいながらも中々会うことがでず、ようやく見つけた彼女たちは、すでに大勢のカメラ小僧に囲まれて貫禄の撮影会を展開していた。

個人的に好きなシーンがあったのだが、それは、完璧にコスチュームをまとったコスプレーヤーが、座ることができず立ちながら食事を取る場面や、トイレでアニメの主人公が用を足している姿はあまりにシュールで思わず笑ってしまった。

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(撮影協力:左 ブレラ:彩香♂、中 ランカ:春汰もな、左 シェリル:ぽん太(コスネーム))

忘れてはいけない “コミケスタッフ” の存在


コミケのスタッフは基本ボランティアで構成されている。この志高きスタッフの大半ももちろん「オタク」。なるほど!会場に向かう途中にいる誘導スタッフに待ち合わせ場所を聞いた際、ものすごい勢いのタメ口で返されたこともこれで合点がいく(笑)。しかし侮るなかれ!この会場の中や外にいてくれるボランティアスタッフにおかげで参加者は安心して楽しめているのは間違いない。まさに神様のような存在なのだ。これらのスタッフの中には名物スタッフとして毎年活躍する有名人がいたり、さらにはスタッフの名言などが毎回取り上げられ、2ちゃんねるのまとめサイトで楽しめるのもまったくコミケらしい。

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三日間の来場者数52万人という数字を見ると、このマーケットが秘める可能性をひしひしと感じざる得ない。ちなみにこの来場者数は鳥取県の人口に匹敵する。それに便乗するかのごとマクドナルドは、コミケオリジナルメニューなどを販売しているほどであった。

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今回撮影協力していただいた “ぽん太” さんは、「このイベントには、お客様というものは存在しないと言われています。売り手も買い手もスタッフさえも、すべてが参加者なのです」と我々に語ってくれた。この言葉がすごく印象的で、この、世界に誇れるイベントを成功させる凄まじいパワーは「オタク」という彼らの、熱く純粋な気持ちが力となることがイベントを成功へと導き、世界に誇るカルチャーへと発展し続けているのだと再確認。何より、実生活では見せないであろう参加者のキラキラした笑顔がとても心に残った記念すべきコミケデビュー戦であった (`・ω・´)

(Text:Tatsuya Nakamura (R.G.C))
(Photo:Yuko Konagi)

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