WATOWA GALLERY(東京・浅草)にて、フランス出身の現代アーティストZEVS(ゼウス)による個展〈ZEVS: New Works〉が、2025年12月6日(土)より開催される。
ZEVSは、広告やブランドが持つ「視覚的権力」を独自の手法で解体し、再構築するアーティストとして知られる。代表作《Liquidated Logos》シリーズでは、シャネルやルイ・ヴィトンといったラグジュアリーブランドのロゴを“溶かす”ことで、消費社会に潜む権力構造を鋭く浮かび上がらせてきた。ポスト・グラフィティの旗手として、約30年にわたりストリートと美術館を往還しながら、アートの領域を拡張してきた存在だ。
本展では、彼の代表的シリーズ《Cycle 1967》からプールをモチーフにした新作8点に加え、日本の国旗を題材とした新作《Liquidated Sun》、そして本展のために制作された世界初公開の《Minimal Paintings》を発表。ZEVSが初めて日本の美術文脈──とりわけ具体やもの派に見られるミニマリズム、物質性への応答──を試みる意欲的な展示となる。
特に注目すべきは、デイヴィッド・ホックニーの名作《A Bigger Splash》(1967)を再構成した作品。理想化されたプールサイドの静けさに「石油流出」を思わせる黒い液体が描かれ、モダニズムの象徴と環境破壊という現代的テーマが交錯する。また、水面に浮かぶ《睡蓮》のモチーフを通じて、モネからポップアート、そしてポスト・グラフィティへと続く美術史の系譜を再構築している点も興味深い。
会期中にはZEVS本人も来日し、オープニングイベントでライブペインティングを披露予定。
ストリートから美術館へ──その軌跡を辿りながら、都市とアート、そして社会の関係を再考する展示となりそうだ。
<開催概要>
Opening party:2025年12月5日(金)18:00 - 21:00
※19:00よりライブパフォーマンス予定 ※一般入場可
会期:2025年12月6日(土)- 2026年2月1日(日)
営業時間:木曜日 - 日曜日 13:00 - 18:00
会場:WATOWA GALLERY 東京都台東区今戸1-2-10 JK BLD 3F
キュレーション:Shai Ohayon(シャイ・オハヨン)
主催:WATOWA GALLERY