ベルリン国際映画祭にて銀熊賞受賞
『6才のボクが、大人になるまで。』

2014.11.13

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6歳だった主人公をはじめ、主要キャスト4人が12年間にわたりおなじ役を演じつづけるという斬新な手法で撮影されたリチャード・リンクレイター監督によるヒューマン・ドラマ『6才のボクが、大人になるまで。』。ベルリン国際映画祭で監督賞に当たる銀熊賞に輝いた作品が、11月14日(金)よりロードショーされる。

4人のキャストが家族を演じた12年間の軌跡

『恋人までの距離(ディスタンス)』などで知られるリチャード・リンクレイター監督が、12年間もの歳月をかけて少年の成長、葛藤、そして家族の変遷を撮影した『6才のボクが、大人になるまで。』が日本でも公開される。

主人公の少年メイソンとして白羽の矢が立ったのはミステリアスなグリーンの瞳が印象的なエラー・コルトレーン。あどけない少年からりりしい青年へと成長していくメイソンを等身大で演じ切った。

そして、メイソンの母親役のパトリシア・アークエット、父親役のイーサン・ホーク、姉役でリンクレイター監督の娘でもあるローレライ・リンクレイターもまた12年間おなじ役を演じつづけ、メイソン少年の成長を、誰もが見入ってしまうドラマチックな物語へ昇華させる重要な役割を果たしている。

また劇中ではイラク戦争やオバマ大統領の誕生といったアメリカ史を彩る出来事も盛り込まれているほか、ゲームや『ハリー・ポッター』シリーズの巻数などサブカルチャーが登場。日常に根ざして人生を語ろうとするリンクレイター監督ならではの時代の流れを物語る演出が光る。

少年から青年へ。
周囲の変化とともに成長していくメイソン

6sainoboku_665_04 テキサス州に住む6歳の少年メイソンは、キャリアアップのために大学で学ぶという母に従い、ヒューストンに転居し、そこで多感な思春期を過ごす。アラスカから戻ってきた父との再会、母の再婚、義父の暴力、そして初恋。周囲の環境の変化に時には耐え、時には柔軟に対応しながら、メイソンは子ども時代をすごしていく。

やがて母は大学の教師となり、オースティン近郊に移った家族には母のあたらしい恋人がくわわる。一方、ミュージシャンの夢を諦めた父は、保険会社に就職し、再婚してもうひとりの子どもをもった。

12年の時がさまざまな変化を生み出すなか、ビールの味もキスの味も失恋の苦い味も覚えたメイソン。そんな彼はアート写真家という将来の夢を見つけ、母の手元から巣立っていくのだった。

家庭や学校のさりげない日常のひとこまを切り取ることで、少年の内面に渦巻く葛藤や悲しみを繊細に描写したリンクレイター監督。12年間、本当の時間をかけ、撮影してきたからこそ生み出される壮大な叙事詩だ。
Text by YANAKA Tomomi

『6才のボクが、大人になるまで。』
11月14日(金)よりロードショー
監督・脚本│リチャード・リンクレイター
出演│パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター、イーサン・ホーク
配給│東宝東和
2014年/アメリカ/165分/PG12/原題『Boyhood』
http://6sainoboku.jp

OPENERSより
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