心温まるリアル・サクセスストーリー
『ストックホルムでワルツを』

2014.12.01

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スウェーデンのアカデミー賞にあたるゴールデン・ビートル賞で11部門にノミネートされ、監督賞、主演女優賞など4部門を受賞した『ストックホルムでワルツを』 。シングルマザーの電話交換手から、世界有数の歌姫にまで上り詰めた実在のジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの波瀾万丈の半生を描いた本作が、11月29日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次ロードショー公開される。

ドラマを彩るジャズの名曲と
1960年代北欧デザインに注目

モダンジャズ全盛期の1961年、スウェーデン語でジャズを歌うという画期的な試みでスターダムにのし上がり、巨匠ビル・エヴァンスとの共演をきっかけに国際的な名声を築いた、世界有数の歌姫、モニカ・ゼタールンド。

スウェーデンの田舎町で両親と5歳の娘と暮らしていたシングルマザーの電話交換手が、さまざまな挫折や困難を乗り越え、ジャズシンガーとして頂点を極めるまでの波乱万丈の半生を描いた本作は、人口約950万人のスウェーデンにおいて、50万人以上の観客動員数を記録。スウェーデンのアカデミー賞にあたるゴールデン・ビートル賞で見事11部門にノミネートされ、監督賞、主演女優賞など4部門受賞の栄誉に輝いた。

ドラマを鮮やかに彩るのは「イ・ニューヨーク(テイク・ファイヴ)」をはじめ、「歩いて帰ろう」「捧げるは愛のみ」といったジャズの名曲の数かず。さらに「ワルツ・フォー・デビー」のカバーを熱望したモニカが、ビル・エヴァンスに手作りのデモテープを送り、ふたりの共演が実現したという逸話も盛り込まれるなど、ジャズ・ファンならずとも、その裏話には大いに興味をかきたてられるはず。

舞台となる1950~1960年代は、デンマークのアルネ・ヤコブセン、フィンランドのアルヴァ・アールト、スウェーデンのオーレ・エクセルらが活躍した北欧デザインの全盛期。その時代のインテリアや街並み、そして当時のファッションが見事に再現されているのも、本作の見どころのひとつといえるだろう。

モニカを演じるのは、自身も歌手として活躍するエッダ・マグナソン。全曲をみずから歌い上げ、スクリーンデビューとは思えない演技力を発揮。モニカそっくりのルックスと豊かな歌唱力で、その存在感をスクリーンに焼き付けている。

決して恵まれた環境にあるとは言えないひとりの女性が、みずからの力で夢をかなえる姿は、北欧ならずとも多くの観客に勇気を与えてくれることだろう。

Text by WATANABE Reiko(OPENERS)

『ストックホルムでワルツを』
11月29日、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
監督|ペール・フライ
脚本|ペーター・ビッロ
出演|エッダ・マグナソン、スベリル・グドナソン、シェル・ベリィクヴィスト
2013年/スウェーデン/カラー/シネマスコープ/111分

OPENERSより
MOVIE|シングルマザーの電話交換手が世界有数の歌姫になるまで
http://openers.jp/culture/tips_movie/news_stockholmwaltz_50066.html

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