愛する人のため、伝説のランナーが
マラソンに再挑戦

2015.03.24

CLIPPING
『陽だまりハウスでマラソンを』 ©2013 Neue Schönhauser Filmproduktion, Universum Film, ARRI Film & TV

ドイツの国民的俳優ディーター・ハラーフォルデンが、史上最高齢の78歳でドイツ映画賞の最優秀主演男優賞を受賞した映画『陽だまりハウスでマラソンを』。3月21日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショーされる。

78歳の主演俳優がマラソン初挑戦

主人公は、オリンピックのマラソン金メダリストで伝説のランナー、パウル。病気がちな妻マーゴとふたりで老人ホームに入居するが、70歳を超えて心身ともに元気な彼は、施設での単調な生活に次第にフラストレーションをためていく。規則ばかりの生活に耐えかねて一念発起。数十年ぶりに走りはじめることを決め、ついにはベルリンマラソンへの出場を決意する。はじめはあきれ顔だったマーゴも、パウルの熱心な姿に影響を受けサポートを開始する。

そんななか、妻のマーゴが倒れるという不幸が襲う。パウルは「老人性うつ」と診断され、自由に走ることが許されない状況になってしまう。果たして彼はベルリンマラソンを走ることができるのか。

本作が長編初メガホンとなるキリアン・リートホーフ監督が、着想を得たのはある新聞記事だった。その記事は、うつ状態に陥っていた高齢の男性が、妻から「あなたが走らなければ、私は別れます! 」と叱咤され、本当にマラソンを走ったという内容だった。着想から11年間という長い構想期間を経て完成した本作。その見どころのひとつが、2012年に開催された実際の大会で撮影されたベルリンマラソンのシーンだろう。

主人公のパウルを演じたハラーフォルデンはドイツの国民的喜劇俳優。この映画でドイツ映画賞、史上最高齢で最優秀主演男優賞を受賞している。撮影当時78歳だった彼にとってはじめてのマラソン挑戦だったといい、毎日のランニング、週3のジム通いで9キロ減量を果たすなど、文字通り体当たりの役作りで栄誉を勝ち取った。

いくつになってもあきらめず、周囲の冷ややかな視線に負けないパウルの挑戦。彼の挑戦を支える妻や仲間たちとの絆。人生の終盤に差し掛かった彼らの生き方は、多くの学びと感動を生みそうだ。

Text by MATSUOKA Wutami (OPENERS)

『陽だまりハウスでマラソンを』
3月21日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督・脚本│キリアン・リートホーフ
出演│ディーター・ハラ―フォルデン
配給│アルバトロス・フィルム
2013年/ドイツ/115分/原題『Back on Track』
http://hidamarihausu.com/

OPENERSより
MOVIE|78歳のドイツ国民的俳優が9キロ減量して挑んだ映画『陽だまりハウスでマラソンを』
http://openers.jp/article/938775

TOKYOWISE SOCIAL TOKYOWISE SOCIAL
News Clip一覧を見る