中脇初枝の短編オムニバスを注目の
呉美保監督が映画化『きみはいい子』

2015.06.26

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中脇初枝の短編オムニバスを注目の呉美保監督が映画化『きみはいい子』 © 2015「きみはいい子」製作委員会

第28回坪田譲治文学賞を受賞した中脇初枝の短編オムニバス集を、呉美保監督が映画化した『きみはいい子』。6月27日(土)より、テアトル新宿ほか全国ロードショーされる。

『そこのみにて光輝く』で世界が評価した
呉監督の待望の最新作

『そこのみにて光輝く』でモントリオール世界映画祭最優秀監督賞に輝くなど、大躍進をみせる呉美保監督。待望となる彼女の最新作は、5編からなる中脇初枝のオムニバス小説『きみはいい子』のなかから3編を選び出し、幼児虐待や学級崩壊など、現代社会が抱える問題を描き出すものとなった。

主演を務めるのは、いまもっとも注目を集める俳優の高良健吾。まじめだが優柔不断な新米の小学校教諭役を熱演している。そして『そして父になる』でわが子を取りちがえられた母親を好演した尾野真千子が心に傷を負う、またちがった母親の姿を見せる。このほか、『そこのみにて光輝く』での演技が高く評価された池脇千鶴と高橋和也も出演している。

それぞれに悩みを抱えながら生きている
3人の“出会い”と“気づき”とは

岡野は4年生を担任する新米の小学校教師。まじめだが優柔不断な性格があだとなり、児童たちは岡野の言うことを聞いてくれない。

いっぽう、雅美は夫が海外に単身赴任中のため、3歳の娘あやねとふたり暮らし。ママ友に見せる笑顔の裏で、たびたびあやねに手をあげてしまうのだった。

そしてあきこは、小学校へとつづく坂道の家でひとりで暮らす老人。スーパーでお金を払わずに店を出てしまい、認知症がはじまったのではと不安に駆られていた。

あるひとつの町で、それぞれに悩みを抱えながら生きている3人。しかし、思いがけない“出会い”と“気づき”により、それぞれがあらたな一歩を踏み出していく。

「虐待、認知症、自閉症、学級崩壊、ネグレクト、モンスターペアレンツ……。言葉で言えば、そのような問題を抱えているひとたちの物語です。それは大げさに社会問題と呼ぶよりも、私たちみんなが抱えていること」と語る呉監督が「ひとがひとを愛するということ」を真摯に描いた作品だ。

Text by YANAKA Tomomi

『きみはいい子』
6月27日(土)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督|呉美保
出演|高良健吾、尾野真千子、池脇千鶴、高橋和也、喜多道枝、富田靖子
配給|アークエンタテインメント
2015年/日本/121分
http://iiko-movie.com

OPENERSより
MOVIE|高良健吾を主演に迎え、「ひとがひとを愛するということ」を真摯に描く『きみはいい子』
http://openers.jp/article/1276836

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