ガエル・ガルシア・ベルナルが
若き広告マンを熱演『NO ノー』

2014.08.21

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軍事独裁政権末期のチリを舞台に、CMで政権打倒を勝ち取った男たちの姿を描く、パブロ・ラライン監督による社会派ドラマ『NO ノー』。8月30日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開される。

パブロ・ラライン監督によるチリ独裁政権三部作の完結編

1988年ピノチェト政権末期、軍事独裁政権に対する国際批判の高まりのなかで、実施された信任を問う国民投票。ピノチェト支持派「YES」と、反対派「NO」両陣営によって1日15分間繰り広げられた実際の一大キャンペーン合戦をもとにした映画『NO ノー』は、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど、チリ国内外でも大きく注目された。

メガホンを取ったのは、パブロ・ラライン監督。『トニー・マネロ』や『検死』につづく、チリ独裁政権三部作の完結編となった本作ではビンテージカメラを使用。実際の映像とフィクションとを交錯させ、当時を追体験するような演出手法にも注目したい。

主演の若き広告マンを、メキシコを代表する俳優であり、監督やプロデューサー業にも近年進出しているガエル・ガルシア・ベルナルが熱演。このほかにもチリを代表し、ラライン監督作品常連ともいえるアルフレド・カストロや、チリでもっとも有名な喜劇俳優ルイス・ニェッコ、ラライン監督の妻でもある、女優のアントニア・セヘルスらが顔をそろえた。

プロの広告マンのプライドをかけたCM合戦

フリーの広告マンとして忙しい日々を送っているレネのもとに、ある日、友人のウルティアが訪ねてきた。ウルティアは、反独裁政権の左派メンバーのひとりで、近く実施される政権の信任継続を問う国民投票反対派「NO」陣営の中心人物であった。

投票までの27日間、政権支持派「YES」と反対派「NO」それぞれに1日15分のPRできるテレビ放映枠が許され、広告やCM制作の責任者として新進気鋭のクリエイターであるレネに白羽の矢が立ったのだ。

政権が対外的に平等をアピールしているだけの“できレース”と、気乗りしなかったが、次第にプロの広告マンとしてのプライドをかけて製作に取り組むようになるレネ。明るい未来、喜び、そして希望を謳いあげる斬新なCMは、独裁政権下で弾圧を受け、迫害されてきた党員たちから非難されるが、次第に多くの国民の心をつかんでいき──。

斬新かつユーモアあふれる大胆なアイデアで「YES」支持者の強大な権力と向き合い、熾烈なメディア戦争を繰り広げる姿が描かれた『NO ノー』。広告のチカラが社会に与える影響を観る者に問う、社会派エンターテインメント作品だ。
Text by YANAKA Tomomi

『NO ノー』
8月30日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
監督│パブロ・ラライン
出演│ガエル・ガルシア・ベルナ、アフルレド・カストロ、ルイス・ニェッコ、アンとニア・セルヘス、マルシアル・ダグレ
配給│マジックアワー
2012年/チリ、アメリカ、メキシコ/108分
http://www.magichour.co.jp/no/

OPENERSより
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http://openers.jp/culture/tips_movie/news_no_47360.html

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