Editor’s Eye

2018.07.31

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10月にグランドオープンの芸術センターに行ってみた!



地下鉄・高雄捷運の衛武営駅からすぐの『衛武營國家藝術文化中心』(愛称:ウェイウイン)は、軍営基地跡を再開発し、完成までに約10年を要した国の一大プロジェクトのひとつ。広大な敷地には、東アジア最大のコンサートホールを備えた施設を中心に屋外イベントが可能な広場や公園があります。

地下鉄の駅から地上に上がると、交差点の向こうに近未来的な巨大建物が!

オランダ人建築家のフランシーヌ・ホウベンと台湾の建築家チームが手掛けたメインの施設は、カテナリー構造を用いており、上空から見ると長方形、横から見ると曲線がまるで穏やかな波を表現しているような印象。カテナリー構造といえば、東京の『国立代々木競技場』が思い浮かぶ。 また、近未来的なデザインと思いがちだが、柱を樹木に見立てたり、船をイメージ(オランダと台湾の共通となる造船技術や船の素材を使用)したりと、自然をテーマに取り入れているところも実に興味深い。


施設のピロティ部分。壁にはスチールなど船に使われる素材を用いている。また、上から吊り下げされたライト(写真左手)は18:00から点灯し、17通りの光を放つのだとか

来たる10月10日にグランドオープンを控えた施設には、異なる4つ芸術ホールがあります。
・音樂廳 コンサートホール
・歌劇院 オペラハウス
・戯劇院 プレイハウス
・表演廳 リサイタルホール



今回は、特別に内覧させていただいた音樂廳(コンサートホール)の様子を少しだけご紹介! このホールの特徴は、まず、ステージを囲むように席が配置されたヴィンヤード(葡萄畑)形式の造り。様々な角度から演者の表情や演奏を楽しむことができるのは魅力的だ。
次に、座席の3階部分に設置された9085本のパイプを持つアジア最大級のドイツ製パイプオルガン! 大きさやデザインはもちろん、音色の美しさにも惚れ惚れ……。その右手にはバロック様式のエコー用パイプオルガンがあり、ステージには、その2台をコントロールできるオルガンが置かれていました(この日は、テスト演奏が行われていたため)。また、ステージ上(天井)の反響板は、観客の人数や規模によって調整ができるようになっており、パフォーマンス向上への工夫が垣間見えた。



台南の芸術教育やアーティスト育成の場として活用されることはもちろん、国際的なパフォーマンス芸術空間として期待が高まる『衛武營國家藝術文化中心』。今後は、ドイツやベルリンのオーケストラ演奏や様々な催しを予定しているそう。また、施設のオープンはまだ先ですが、広場や公園、毎月行われるイベント、ライトアップなどのお楽しみもあるので、一度足を向けてみてはいかがだろう。



衛武營國家藝術文化中心
住所:高雄市鳳山区三多一路1号
URL:https://www.npac-weiwuying.org/

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