The ABC\

2017.04.05

The ABC\’s of International Marriage
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日本で忘れられた愛の形

良く言われるのは、「外国人の愛の表現たるや」である。日本人は、言わずとも察しろ的に然程人前でイチャイチャしないし、友人に「妻を愛してる」と言わない。そんなことは誰も求めてないのだから。確かに、日本人の私も、そんなに頻繁に愛してるとは言えない、習慣的なのか。。。一方夫は、毎日事ある毎に「愛してる」と言ってくる。そんなこと欲している日本人女子も多くはないそうだけれど、それは実際にその効用を体験してないからのような気が、最近してきた。ふと先日病院の帰りにラーメンを一人で食べていた時に、ハッとした。あっ私今夫のことを愛おしいと考えてた!そしてそれは直向きに「愛してる」と言い続けてくれ、毎日私を愛でてくれるのが原因だと。

日本にも言霊という思想が根付いている。言葉には魂が宿るのだと。だから否定的な言葉は発するべきではないし、発した言葉は有言実行出来るというものだ。この考え方に基づいても、「愛している」は連発すべきなのだ。

ただ、「愛してる」の連発は、きっと日本人にとってその有難味や重みを軽減してしまうのだろうか。「言わずとも空気を読め」文化が「言霊」文化に勝利してしまい、毎日「愛してる」という日本人夫婦は少ないように思う。この毎日「愛している」の効用も、実際に体験してみないと分からない。是非、一円も費用が掛からず、夫婦円満の最適作戦「毎日の愛してる」実践してみてほしい。

夫婦別室の項でも触れたけれど、どうも日本人は空気をあまりに読み過ぎる結果、愛が消えて行く構造にあるように思う 。空気を読んで、夫婦別室により、育児の実態への理解が薄れ、セックスレスになり(結婚後一年で半数以上がセックスレスになるらしい!)、夫婦はチームメイトとなってしまう。セックスに関して態々チームメイトのムードを壊したくないので、アウトソーシングするようになり、結果として結婚生活に亀裂という構造である。

常に夫婦が愛することで、お互いを敬い、お互い胸をときめかせ、幸せな日々を送るという、映画みたいな世界を実際に生きている人がいるということも気付いて欲しい。しかも、それはただ毎日「愛している」という言葉を発することにより。

様々な結婚の形

そもそも結婚ってなんだろう?最近LGBTという言葉も良く見かけるようになったけれど、アメリカ全土や渋谷区で同性婚を認める動きが活発化している。一方、フランス人と10年来のカップルである日本人夫婦が、最近結婚したのーと話してくれた。あれ、4歳になる息子がいるのに、今結婚?!と驚いた。フランス人が結婚したがらないというのは良く耳にする。そんな紙切れは些末な事という思想や、「PACS(パックス)」という制度は事実婚を認め婚姻と同等の権利を有せるので、わざわざ結婚する必要性が無いらしい。

私も、特にお互い心でつながっているから、わざわざ紙切れで縛る必要もないかも~とも思いながらも、入籍のメリットデメリットも把握しないまま、入籍。共働きの場合、さほど控除を受ける訳でもなかったり、シングルマザーの方が保育園へ入りやすかったりすることを知り、入籍する必要無かったかなーとも思った。まあ、その息子が4歳になるまで入籍してなかったフランス人との夫婦は、事実婚ということでパパも送り迎えするし、保育園入園の際シングルマザーポイントは付いてなかったらしい。でも、どうして今になって入籍したの?と疑問に思うけれど、彼らからしたら「出会ってちょうど10年で、時期が今だった」らしい。

私も、まあ知り合い友人達に結婚しますと宣言する結婚式の方が大事だと考えてたので、4月末に結婚式実施し、出産前の7月に入籍した口で。私にとっても籍を入れることより式の方が大事だったみたい。

先日、モロッコで出会ったモロッコ人と出会って24時間で婚約したという友人。モロッコはイスラム圏なので、付き合うというのは結婚が前提=婚約ということらしい。役所に婚約しましたよーという届も出すという本格的なもので、日本のそれとは異なる。(日本でも結納というのがあるけれど、イージーな家柄の私はそんな儀式も婚約指輪も無かった、、、)やはり宗教を軸に生きている人にとっては、結婚というのは神聖なもので、そう何度でも出来ることではないらしい。破たんした結婚に固執する必要はないけれど、そうならないように努力する方向性は良いと思う。 先日、大学の同窓会で出会った友人。よくよく聞くと、結婚相談所を介して結婚したとのこと。えええーーーーーマサカ!そんな人初めて会った!というのが正直な感想。でも、よくよく考えてみると、私も今の夫と出会わなかったら、すぐに32歳を迎え、果たして誰かと上手く行っていただろうか?と考えると、全く誰かと出会えてたという気がしない。更に友人は続けた。「入会して数カ月で50人くらい紹介されて、実際に会ったのは10人程度。お互い結婚する意欲は満々だから、結構上手く行ってます。」

会ったシチュエーションを気にする人がいる。確かに「バーでナンパなんて!他の子にも声掛けてるでしょ!」とか「合コンで出会ったなんて!合コン行きまくってたでしょう?」とか「結婚相談所だなんて!私が良かったんじゃなくって、ただ結婚したかっただけでしょ!」的な印象である。でもよくよく考えてみると、それはテンションの問題である。合コンでも、気合の入ったお見合い形式のものから、友人の飲み会的なラフなものもあるし、今の時代合コンで出会って結婚してもそんな後ろめたさを感じる人は多くは無い 。同じように、結婚相談所もネットワークな時代に、もっと気軽で良いツールとなっていてもおかしくはないと感じた。

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とまあ、様々な発見のある国際結婚だけれど、国際結婚ありきではないような気がする。日本人同士でも、赤の他人が家族を形成するわけで、実は差異はないんじゃないか、と。様々なケースを参考に、是非とも素敵な結婚生活を一人でも多くのみなさんが送れますようにお祈り申し上げます♡

(Text & Illustration: Lumico Harmony[ルミコ・ハーモニー])


Lumico Harmony (ルミコ・ハーモニー)
フィンランド人との結婚を機に、人生を見つめ直し、活動の幅を広げる。アート活動、イラストレーター、ライター、ワークショップアートディレクター、北欧コンサルティング、NPO法人ザ・グローバル・ファミリーズの副理事長も務める。3児の母。
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