東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ

2014.05.01

MUSIC CONCIERGE
東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ

東京良音空間 Vol.01
MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ

最近きっちりと、いい音で(しかもある程度のボリュームで)音楽を聴いていないと思いませんか?ほとんどの場合、ヘッドフォンではないか、と(良くてPCにつないだ小さなスピーカー)。ところが、実際の音楽制作者はスタジオで何時間もかけてスピーカーを切り替えたりしながら、ミックスダウンを真剣におこなっている(はず)。ま、東京の住宅事情を考えると自宅でボリュームをあげて音楽を聴くのは難しいし、時間もないというのが実情。
ならば、せめて、外で高音質で、ボリュームを上げてしっかりと音楽を聞き込めないか。と考えて探しました。東京良音空間。
その第一弾は、代々木ヴィレッジ内にある「ミュージック・バー」。小林武史氏、大沢伸一氏がプロデュースした、大人のための空間。そのシステムの構成からアルバムのセレクションまでを、大沢伸一氏が行い、音のクオリティと空間の見事なマッチングが、バータイムに奥行きを与えてくれる。
このシステムの極意を、大沢さん自身にお伺いした。

東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ TOKYOWISE(以下T):このシステムを組むときに、どんな狙いとかコンセプトだったのですか?
大沢氏:高級オーディオと呼ばれる分野では古いものが圧倒的に支持されていますが、ヴィンテージ崇拝にならず、良い意味で新旧ハイブリッドでセレクションしました。古いクラシック音源も現在のエレクトロニックな音楽もすべて受け止められる編成を目指しています。
T:まず眼に飛び込んでくるのがタンノイのスピーカーですね
大沢氏:もともと音楽の再生装置にジャンルを分け隔てる考え方があまりなじまないんです。このタンノイのウエストミンスターは、正直な音、素直な音、言い換えれば地味な傾向の音とも言えるのですが、長時間聞いていても疲れないところがいいんです。その意味ではJBLやその他のメーカーの比ではありません。
T:アンプはマッキントッシュとOCTAVEですね。
大沢氏:真空管の暖かみのあるサウンドはデジタル全盛の現在にとても重要なファクターだと思っています。

東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ T:レコードのセレクションも見事ですね。
大沢氏:常識的にこれは必須でしょ、という名盤を揃えことは極力せず、このプロジェクトに関わっている人間の、大げさに言えば人生で欠かせない盤をメインに収集しました。加えて、懐古主義に陥る事なく、音楽草創期から先月レコーディングされたようなインディな音楽まで、地域や時代、メジャー、マイナーなどの括りを飛び越えたセレクションを目指しています。
T:このMUSIC BARの楽しみ方を伝授してくださいw
大沢氏:音楽というもの自体が持っている自由さを満喫出来れば様々な楽しみ方のスタイルがあって良いと思います。その意味でルールはほぼありません、ただし他人に迷惑のかからない範囲、自己責任で(笑
T:自由にいい音をある程度のボリュームで楽しむってなかなかできないですしね。
大沢氏:日本では、録音された音楽をある程度の音量で聞ける場所ってクラブやディスコしかほぼ存在しないですが、世界的に見ればBARの存在はライブハウスとクラブの間を埋める役割を担っている部分も少なくありません。現在世界的に再評価、新定義されつつあるアナログレコードをメインとした、良い音質で世界中の様々な音楽を聞ける場として、また、大げさではありますが、文化的な交流の場=サロンとして活用してもらえればとても嬉しいです。
T:今後の展開は何か考えていらっしゃいますか?
大沢氏:銀座に近々、もう一軒、同じようなコンセプトでBARを出す予定です。
今回も小林武史さんと共に関わっていますが、今回はビルのオーナーでもあり、1,2FのTORIBA COFFEEの仕掛人でもある鳥羽氏と3人でプロデュースしています。銀座という場所柄大人なイメージに偏りがちですが、臆せず色んなスタイルの音楽を提案出来る場にしていきたいです。システムもまたちょっと凝っているのでお楽しみに。
T:ぜひそちらも紹介させてください。今日はありがとうございました。

DJ、プロデューサーとして日本の音楽シーンをリードする大沢さん。その彼と、プロデューサーとしては常にトップを走り続ける小林武史さん。彼らの音楽のルーツを感じつつ、しかも音楽のディテールまで聞き込める環境。ありそうでなかった、ミュージック・ラバーのための隠れ家バーに、今夜も音楽に酔うために人々が集まってくることだろう。

東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ 東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ 東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ

(Text:Y.Nag)
(Photo : Yuuko Konagai)

MUSIC BAR
東京都渋谷区代々木1-28-9 代々木VILLAGE
TEL:03-6300-0159
18:00 – 27:00(Mon – Sat)18:00 – 24:00(Sun / Holiday)

東京良音空間 Vol.01 MUSIC BAR @ 代々木ヴィレッジ
大沢伸一(Shinichi Osawa)
’93年のデビュー以来、MONDO GROSSO、ソロ活動を通じて、革新的な作品をリリースし続けている音楽家、DJ、プロデューサー。クラブサイトiLOUDのDJ人気投票国内の部3年連続No.1(2009〜11年)に輝く。ソロ名義のアルバム『The One』(’07)、『SO2』(’10)は海外でもリリースされ、現在も世界中のDJ/クリエイターからのコラボやリミックスのラブコールも多い。
平行して作曲家、プロデューサーとしても活躍。安室奈美恵、MINMI、AFTERSHCOOLなどにそれぞれの新境地となるようなプロデュース楽曲を提供している。また、トヨタやユニクロなど多数のCM音楽を手掛けるほか、代々木ヴィレッジのミュージックバーをプロデュースするなど音楽を主軸として多方面に活躍している。
www.shinichi-osawa.com/

TOKYOWISE SOCIAL TOKYOWISE SOCIAL