TOKYO SLEEPER 東京快眠

2015.07.22

SLEEPER
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東京快眠指南 Vol.14
by Megumi Kaji
夏の冷えに負けずに快眠

 梅雨明けとともに、いよいよ本格的な夏です。夏は、一年で一番眠りにくい季節。暑くて寝苦しい熱帯夜が続きますが、実はこの時期に「冷え」を感じる人が多いのです。そして「冷え」は、眠りを妨げる要因にもなります。私たちは、手足からの放熱をきっかけに眠りに入ります。そのため、手足が冷えていると熱の発散がうまくいかず、深部体温が下がりにくくなる=寝つきにくくなってしまうのです。
 一方、通勤通学や買い物、外食などで、暑い屋外と冷房の効いた室内を行き来することが増えてきますが、実はこの温度差が身体に大きなストレスになるのです。人間の身体は急激な温度変化に対応するようにできていないため、暑さと寒さを交互に体感すると温度調節のリズムが崩れ、暑い夏に手足が冷えてしまうということが起こるのです。
 この夏の冷えに対する快眠法の一つがお風呂です。湯船での入浴は、急上昇した体温を元に戻そうとする働きによって深部体温を下げてくれますし、交感神経から副交感神経に切り替える作用によって、気分をリラックスさせてくれます。汗をたくさんかいて帰宅した時などはシャワーですませてもよいですが、一日あまり汗もかかず「冷え」や寝つきにくさを感じる時は、血行をよくするためにも、ぬるめの湯船につかってみるとよいでしょう。
寝苦しい熱帯夜。ついつい冷房を強くしたくなりますが、寝室の温度だけでなく、身体の温度調節メカニズムを意識しながら上手に汗をかくことが夏の快眠ポイントです。

鍛冶恵
東京生まれ。1989年ロフテー株式会社入社後、快眠スタジオにて睡眠文化の調査研究業務に従事。1999年睡眠文化研究所の設立にともない研究所に異動後、主任研究員を経て2009年まで同所長。睡眠文化調査研究や睡眠文化フォーラムなどのコーディネーションを行なう。2006年、睡眠改善インストラクター認定。2009年ロフテー株式会社を退社しフリーに。2010年、NPO睡眠文化研究会を立ち上げる。
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