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2016.06.02

vol.10 TOKYO Go Out !

マニアの視点を体験する 珍スポットツアーとは


──今年から始められた「東京別視点ツアー」も、“参加型タモリ倶楽部”という触れ込みに興味をそそられますが、どういった企画を行っていますか?

ブログをやり始めて2年目頃から、見てくれている人も実際に行ってみた方が面白いと思い、僕自身がガイドとなって年に一回ほどツアーを開催していました。これが割と好評だったこともあって、今年から事業として本格的に始めました。独自の視点を持った様々なジャンルの人たちをガイドに立てて、色々なツアーをやっています。これまで取材してきた方々や、珍スポットの店主さんが何かのコレクターであったりするケースが多いので、そういう方々にお願いしています。これまで「14時間耐久山手線一周珍スポウォーキングツアー」や「絶対にすべらない便所サンダル大試乗ツアー」、「普段は中に入れない『中銀カプセルタワービル』ガイドツアー」など、月に4回ほどのペースで開催していますが、今のところ9割方満員になっています。

──珍スポットを楽しむためのおすすめの鑑賞方法はありますか?

普通に面白い場所って、面白がらせる努力や工夫があって受動的でも楽しめますが、珍スポットは見る側が能動的に面白さを見つけて楽しむ場所だと思うんです。3月に開催した「下町・平井の植木鉢をひたすら鑑賞するツアー」では、ガイドの方が鑑賞ポイントを解説しているうちに、お客さんたちも段々植木鉢を語り出し始めて、おのおので楽しみ方を見つけ出すようになっていくんです。そうなるには、「絶対に楽しむぞ」という見る側も覚悟を決めて行くことが大切だと思います。

──今後取り組んでみたいことはありますか?

珍スポットの面白さは、突き抜けきると外国人ウケすると思うんです。色んな国がある中でわざわざ日本を選んで来る時点で、そういうのが好きな人たちが多いでしょうし、日本人を説得して連れて行くよりも、共感してもらえるんじゃないかと。だから、うちのツアーもノウハウが溜まったら外国人向けにしていきたいと考えています。あとは、地方の人が前に出したいものと、外から見てこれがいいと思うものって結構ズレがあって、その辺をうまくツアーにしてみたいですね。今、色んな視点を持っているマニア筋の人をたくさん集めているので、そういう人たちを引き連れて行って、色んな角度からその地方を切り出していきたいと考えています。

──最後に、松澤さんにとって珍スポットとはなんですか?

人生の先輩みたいな感じですかね。僕が好きな珍スポットの店主さんたちは、自分の将来像というか、パラレルワールドの中のちょっとカタチの違う自分みたいなところで捉えているんです。その人たちの頑張りや永遠に続けている生き様を見ると、僕自身も励まされます。僕はこの別視点のサイトやツアーを通して、今後もそうした場所や人を盛り上げていきたいと考えています。

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普段何気なく見過ごしていた日常も、“別視点”を持つことで世界は一変する。ありきたりな街のガイド誌や食べログは一回忘れて、お出かけ前に一度「別視点ガイド」をぜひのぞいてみて欲しい。

(Text:Yumi Sato
(Photo:Masashi Nagao)

松澤茂信
有限責任事業組合 別視点 代表
2011年から日本中の珍スポットを紹介するサイト「東京別視点ガイド」を運営。2015年には世界版「世界別視点ガイド」を立ち上げ。90日間マンガ喫茶を泊まり歩き、日本一周珍スポ巡りの旅もおこなった。2016年、有限責任事業組合 別視点を設立し、「東京別視点ツアー」などの観光事業を立ち上げた。大喜利好き。(「大喜利天下一武道会」主催)
東京別視点ガイド http://www.another-tokyo.com/
別視点WEBサイト http://www.betsushiten.com/

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