愛女会 vs 毒女会 東京女子会、2つの流派  Tokyo Girls’ Party Talk

2016.07.29

vol.11 TOKYO SYSTEM
愛女会 vs 毒女会 東京女子会、2つの流派  Tokyo Girls’ Party Talk

東京にある飲食店の多くには、女子会プランというものが存在する。近年では、サラリーマンの聖地・新橋の居酒屋でも女子会が開催されているほど。そもそも女子会とは何なのか? ウィキペディアや日本語俗語辞書の説明の通り、「女性だけで集まって飲食や話しをする会」というのが前提にありながらも、最近のスイーツブームの波に乗ったり、インスタグラムに写真をアップすることを目的とした“にわか女子会”と言えるものもある。今回は、独自アンケートの内容を交えながら、リアル東京女子会の実態に迫ります!

女子会が行われる頻度は?


20代 → 3~4ヶ月に1回
30代 → 月に1~2回
40代 → 月に1回

女子会の表向きの理由と話題


女子会を行っている色んな年代に、女子会の話題と開催される理由を聞いてみた。

「話題はどんな時も、男と仕事に関して。8:2くらいです。開催される理由は、誰かのお誕生日か美味しいものを食べるとかがきっかけなんですが、とりあえず女子でキャーキャー話したいのが大きな理由」
(Seiko/29歳/看護師/東京在住9年/独身)


「旦那が厳しいので、気軽に外食や飲みに行くことができない。気の知れた女友達が定期的に開催してくれる女子会は行きやすいし、リフレッシュできるので常に参加しています」
(chia/38歳/会社員/東京在住38年/既婚)


「近況報告でしょうか。恋愛しかり、最近どう? っていうのがメインだったはずなのに、いつしか、美味しいものを食べる=女子会になっています。先ずは、美味しいものを食べてから色々話そうよ! というノリが強い気もしています」
(Mitchan/40歳/WEBディレクター/東京在住40年/独身)


女子会の話題として、恋愛と仕事がメインという声が多くあった。また、世代があがるにつれ開催される頻度が高いという点も見逃せない。接客業をしているアラフォー友人曰く、「この歳になると時間やお金の都合がつけやすく、長年付き合いのある女友達だとフランクに声がかけやすかったり、集まりやすいのかも」と。逆に、20代は、「毎月会って話すことがそんなにないし、頻繁に外食するほど金銭的な余裕がない」という切実かつ現実直視の意見もちらほら。中には、年上のお姉様から愛される&女子会に必ず呼ばれるであろう=愛女(メデジョ)※のこんな回答もあった。

「誘われる時は、自分よりちょっとお姉さんたちが多いので、デレっデレ甘えまくるのが心地良い。面倒みてくれるお姉さんたちは、デキ女ばかりなので、幹事さんの様々な計らいなど、スマートな大人の女はどう動くのかということも学べる。悪い点はひとつもないです」
(Kotori/29歳/PR・プロジェクトマネージャー/東京在住9年/独身)


トレンドに敏感でおしゃれにも気を抜かない一見、愛され女子=愛女が参加する会を例えるならキラキラ。「お酒よりもスイーツや美味しい料理が大好き♪」と口にしそうな、ディープな話もせずインスタなどのSNS用にパシャパシャ写真を撮りまくる女性が多い印象。「大好きな友達と一緒にシャンパンで乾杯!」という投稿をしがちな集まりとでも言いましょうか……、まさに上辺の付き合い&本音トークの無い“にわか女子会”。そんな時に聞こえてくるセリフはこんな感じ。

「まずお店選びと人選が大切!フォトジェニックなフードとちょっとかわいい女子友を厳選。インスタで変な写真あげられない〜」

しかし、東京女子会はそんなものばかりではない。冒頭のアンケート回答のように仕事や恋愛の話題が多いにしても、今年話題の不倫や浮気、離婚というディープな話や毒吐きの会話をつまみにお酒とその場を楽しんでいる毒女会なるものが存在するのだ。

深夜1:00AMの告白 男が知りたくない女子会の実態


かなりお酒が回ってくると、愛女が毒女に化けたり、男性が耳を塞ぎたくなるような下ネタあり~の、過激発言あり~の内容が飛び交う。理性のストッパーが外れた女の会話は、まぁ凄い。甘いスイーツよりも男性との甘い情事や美味しい関係についての話題のほうが盛り上がる。

例その1:付き合って半年の彼が一度も家に呼んでくれない
A子は深刻に悩んでいるが、「浮気してるんじゃないの?」「二番目なんじゃないの?」と警戒心を持って付き合うべきだという意見が飛び交う。最終的には「今から会いたいから家に行っても良い?」と言って反応をみるべき! というまとめに。

例その2:見た目と中身のどちらを優先すべきかわからない
「とっても優しくて一緒に居ると心が落ち着くのに、見た目やセンスが好きになれない」と言うB子に「好きになる、なった理由が一番大事じゃない? 私はルックス重視。もちろん性格は無視できないけど、多少の中身の問題は目を瞑れる」という意見が出ると、「性格や中身は変えるの難しいし、見た目は変えられるから絶対に中身重視!」という反発の声も。時には「心やルックスはどうでもいいから、経済力が第一でしょ」なんていう、場が凍る発言も。

例その3:不倫の彼と付き合いを続けるべきかどうか
付き合って二年の彼の奥さんが不倫に勘付いている様子だと言うC子。「好き嫌いの感情も大事だけど、C子はどうしたいの?」「彼は今後のことをどう言ってるの?」と突っ込みが続く。リスクを負う覚悟があるのかも含め、まずは自分の気持ちを整理することが優先! という話に。

例その4:セックスレスの問題で浮気。セフレは有無!?
結婚5年のD子、恋人と付き合って3年のE子は、セックスレスの悩みから浮気に走った。「男だけに性欲があるわけじゃないし、彼にモーションをかけてもスルーされて、心身ともに別の寄りどころが欲しかった」と言う。旦那や彼氏に愛情もあり、別れたいとは思っていないながらもセフレとの関係は続行したいのだとか。「バレたら愛情も何も関係無しに別れを突きつけられるかもよ」や「子供が居るかどうかでも意見が変わるよ」「今だけじゃなくて、先も見越した上で自分が良いと思うならいいんじゃない」と、それぞれの価値観をぶつけ合うので長い話の展開になったりもする。

こうした悩みや赤裸々トークができるのも女子会の良いところ。でも、なるべく声が漏れない個室があるお店を選んだほうが賢明だし、新橋の居酒屋なら尚さら男性やお店スタッフの目線も意識したいところです。

“女子会”という言葉が生んだ功罪


最後に、今回アンケートの設問、<“東京”と“女子会”の2ワードから連想することは何ですか?>の回答の一部をご紹介。女子会というワードに違和感を持っている人も少なくないのかも。

「女子会←もはや言い方がダサイ。東京←本物と偽物が混在する都市であり、トレンド発信地と言われているから新しい言い方が欲しい女子とは言えない年齢の女性が集まるわけだし、むしろ、“婦人会”って言ったほうが粋な気がする。。」
(taako/35歳/会社員/東京在住12年/独身)


「東京は、地元の人も地方出身の人も多く集まる場所だから、共有言語のように女子会ってワードを使っている気がする。それに加えて、SNS用の写真を撮るために集まったり、場所決めたりしてリア充風のアピールをする女子会もあったりと、何だか言い方も内容もナンセンスな感じがする」
(sami/39歳/編集者/東京在住39年/独身)


「まず、女子会♪ 女子会♪ って言ってる人はイタイと思うので、個人的にはそのワードを極力使いたくないと思っています。フォトジェニックな食事や店で、食事や酒の香りがわからなくなるほど香水ブンブンで、店内なのに女優帽被ったままのダサイ女が使ってそうな言葉だから。まあ、でも結局女は、終わりのない恋愛話をし続けるものなので、私も他人から見たらしょーもない女のひとりなのかもしれませんが。笑 」
(Seiko/29歳/看護師/東京在住9年/独身)


東京的・女子会の有意義な時間の過ごし方、新しいネーミングを見直す時期かもしれません。

(Text:Miyaan

※愛女(メデジョ):年上から愛でられる、女性からもちろん男性からも好まれる女性を指す

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