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2016.09.16

vol.12 TOKYO HEAT WAVE
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数年前から、ちょくちょく私のFacabookのタイムラインに顔を出すようになったパクチーが、最近やけに目につく。カルディに行けば「パクチーラーメン」、「パクチースナック」、「パクチーカレー」などという珍商品が並び、ヴィレヴァン※1に行けばパクチーコーナーが独自のスタイルで展開され、パクチー栽培キットまで売られている。渋谷を歩けば駅構内の円柱一面に「パクチニスト必携の一冊!」というパクチーレシピブックの広告が目に飛び込んでくるし、東急フードショーでは「やみつき!パクチーフェア(※8/31で終了)」まで開催していた。今の世の中、どうしてこんなにパクチーが求められているのだろうか。そもそも、現地ではどんなポジションなのだろう? 日本、とりわけ東京で人気絶頂のパクチーの正体に迫るべく、タイ人女性2人を恵比寿のパクチー料理専門店『ビストロ パクチーズ』にお連れし、本国での食され方の違いなどについて聞いてみた。


パクチーの扱いは日本のパセリ以下



今回、この企画に快く参加してくれたタイ人女性は、Kikiさん(30歳)と、Pearさん(29歳)。二人とも日本に来て一年と少しで、東京23区内に在住。Kikiさんはタイのテレビ番組制作、Pearさんはマーケティング関係の仕事をしている。見た目もファッショナブルだが会話に気づかいやユーモアが伺える、とってもインテリジェンスで気さくな方たちだ。Kikiさんに事前にこの企画についてお伝えしたところ、「パクチー?何で日本で流行ってるの?」と逆に質問されてしまい、どうやらタイ人の間でパクチーは「料理に欠かせない」基本のハーブではなく、「あぁ、あったね」くらいの存在らしい。てっきり彼らにとって「なくてはならない」食材だと思っていたのに、拍子抜けだ。それでは、「料理に入っているパクチーは食べないの?」と聞いてみたら、「料理にいつも入っているけど、ほとんどのタイ人は食べない。20%くらいの人は食べる」とのこと。しかも、60%くらいの人は、「パクチーが好きでない」のだという。
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また、ビストロ パクチーズでオーダーした料理の一つに「P根っ子のフリット」というパクチーの根っこの部分をフリットにしたものがあるのだが、この根っこの部分は、ミキサーにかけて、「ソムタム」(※青パパイヤのサラダ)のドレッシングにするのだそう。なので、「パクチーの根っこをそのままかじるのは、生まれて初めて」だという。
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「料理にはいつもパクチーを入れるの?」ということを聞こうとしたのだが、そもそもタイ人は外食がとっても安価(屋台なら100円程度)なため、自宅ではあまり料理をしない。KikiさんもPearさんも苦笑しながら「(自炊は)全くやりません〜!」と言っていた。
それより、同じハーブでもバジルの方が格が上らしい。ホーリーバジルと肉や野菜を炒めた代表的なタイ料理、「ガパオ」は大好きだし、料理に入れたり、飾りにも使われていて、こちらは除けずに食べるという。タイ在住の日本人からは、「どんなときでも出てくるし、みんなむしりながら食べてます!」という現地情報も伺っている。簡単に美味しく作れるのでタイの家庭でもよく出てくるし、日本の家庭でも定着しつつある料理だと思う。ただ、“風味付け”としてはパクチーも負けてはいない。「トムヤムクン」にはパクチーの風味が必要不可欠だという。ふむ。どうやらタイ人とパクチーは“付かず離れず”の関係のよう。 160901_656_2

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※1 全国に数百店舗で展開される本屋、ヴィレッジヴァンガードの通称

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