“朝食抜き”は老いの始まり?とっておきのTOKYO朝食スポット4選_Joker Breakfast in TOKYO

2016.10.04

vol.13 TOKYO FOOD

朝食抜き”は老いの始まり?とっておきのTOKYO朝食スポット4選_Joker Breakfast in TOKYO

~日本最古の喫茶店で味わう“元祖モーニング”~
銀座カフェーパウリスタ
@銀座 


銀座8丁目にある『銀座カフェーパウリスタ』は、創業105年の老舗喫茶店。現存する中では、日本最古だ。芥川龍之介、谷崎潤一郎や与謝野晶子など、多くの文豪や藤田嗣治などの文化人が通い詰めた全100席のレトロモダンな空間には、かのアインシュタインも訪れたとか。ジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻においては、三日三晩通い詰めたというから、偉人・天才・鬼才を惹きつけるスペシャルな何かがここにはあるのだろう。

モーニングの「ホットドッグ」は、パンの端から微妙にはみ出たソーセージのサイズ感がツボだった。小学生の頃、母が作ってくれた懐かしい味がした。客席にも、ブラジル在住日系人画家の絵画や、マジックで一筆書きしたようなポップな人魚のコースターなど、ふと目にした時に癒やされる趣向が端々に凝らしてあって、長居しても飽きのこない場所だ。

銀座カフェーパウリスタ
トースト、マフィン、スコーンといった王道メニューのほか、キッシュやケーキもモーニングの時間帯に注文できる。「森のコーヒー」という名のブラジルコーヒーは同店の看板メニュー。苦味とコクがあって、個人的には好みの味だったが、濃いのは苦手という人には、「森のコーヒーライト」か、ラテマラとエチオピアのブレンド豆“サファリ”を使ったアイスコーヒーがオススメだ。

銀座カフェーパウリスタ
中央区銀座8-9-16 長崎センタービル1F
TEL:03―3572-6160
http://www.paulista.co.jp/shop.html



~一度は食べて欲しい、ロケ弁朝食の定番~
天野商店
@南麻布


天野商店
早朝のロケバスに揺られながら、「なんか異様に美味いな、コレ…」と思ったことは何度もある。寝ぼけまなこで、その店の名をぼんやりと聞いたこともある。だがしかし、あらゆる名称を覚えるのがひどく苦手な私は、つい最近まで“コレ”が“ソレ”だと気づけずにいた。

ソレとは、南麻布にある「天野商店」の“朝食セット”(370円)のこと。おにぎり2個に、唐揚げとだし巻き卵。至ってシンプルなメニューだが、何といえばいいのか、一つひとつが丁寧で旨いのだ。ロケ弁として食べる側ではなく、取材に行って初めて知ったことだが、ここの朝食セットは、いつも予約がぎっしり。この1個をキープするのに、何度電話を掛けたことか。

天野商店
卵焼き120円、唐揚げ200円と、魅惑のプライスで単品販売もしている。電話でしか注文を受けない、キャパを超えたらきっぱり断る。でも、たった1個でも、女将さんが懇切丁寧に対応してくださる。そんな潔さが、この店の不動の人気の理由だと思った。

この日、立て続けに4ヵ所で朝食を食べたあと、仮眠のつもりが、気づけば爆睡。目覚めたら、空はもう暗く、呑みに行かなくてはいけない(=呑みたい)時間になっていた。説得力に欠けるが、食べ過ぎにはどうぞ気をつけて。ごきげんな朝食と共に、限りある人生をヘルシーに謳歌されたし!

(有)駿州屋天野商店
港区南麻布3-18-15
TEL:03-3473-1727

(Text: 岸由利子)
(Photo: Masashi Nagao (天野商店のみ岸由利子))

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