街モードの最旬3原則とは?キーワードは「レトロ×ギーク」2017年トレンド予報 NEXT TREND 2017SS

2017.02.15

vol.15 TOKYO NEXT
vol.15 TOKYO NEXT

ノームコアがついに終焉を迎え、その反動から派手で奇抜なタッキーファッションが新たな流行の兆しとして見られた2016年。さて、2017年は? 

ファッションが大好きでも、流行発信源のランウェイの様子に疎い私。本屋でファッション誌を片っ端から立ち読みし、インターネットで“2017年トレンド”と検索しまくり、最終的にファッションプレスのM氏に懇願の電話。そこから見えてきたキーワードは〈レトロ×ギーク〉だった。ギークとは“オタクのような”という意味をもつ言葉で、ギークファッションにレトロを組み合わせるのが今年のトレンドのよう。とはいえ、ノームコアの流れを汲んだアスレジャー程度しか取り入れることのできなかったパンピーの私に、いきなりギークは……。そこで、「半径50mの人の絶賛をとれ!」がポリシーのTOKYOWISEらしく、極私的な2017年トレンド予報をすることにした。

街モードの最旬3原則


①キャップは脱スポーティー

vol.15 TOKYO NEXT

半径50m内にいる美容師のママさんは“アラ隠し”と言いながら、毎朝シャレオツなキャップを被って保育園にやってくる。スモールポニーのラルフのキャップ、2トーンカラーのコーデュロイキャップなど、どれも布製で浅めのタイプ。巷では“キャップ女子”がジワジワときているようだが、今後その勢いは加速するだろう。人気スタイリストの百々千晴さんがMILK FEDのキャップをインスタにアップしているのを見て、ピンときた(そして、買った)。2017年初の『Numero』では、バレンシアガのキャップを被ったモデルが表紙を飾り、確信に変わった。キャップは間違いなく街モードの一端を担うアイテムになる!と。

これまで、頭を覆う主流アイテムはフェルトハットだったが、すでに昨年の〈東京崖っぷちアイテム〉でもランクイン。冬の定番アイテム、ニットキャップもやや微妙な位置になっている。キャップ人気が高まっているのは、ショートボブの女子が増えたことに起因していると言えなくもない。ショートヘアだとまるで少年、ロングヘアだとやぼったい。そこを見事にクリアしているのが、キャップから少し髪の毛がはみ出るショートボブなのだ。

キャップというと、どうしてもスポーティーなファッションに偏りがちだが、今年はカジュアルなファッションやモードなファッションに合わせたい。ピタッとしたトップスをインしたワイドパンツとかにね。ショートヘアの私は今年こそキャップを被りたい一心で、現在ひじきの大量摂取で髪の毛を伸ばしている。

②楽ちんリュックを卒業

vol.15 TOKYO NEXT

アウトドアブランドだけでなく、ハイブランドからもモードなバックパックが登場し、東京の街中は老若男女問わずリュック一色となった。数シーズン続いたリュックブームだが、徐々に落ち着きを見せ始めてはいないだろうか。巾着型をはじめとした小さめのポシェットに、荷物が多ければサブでエコバックを持つ。そんなスタイルが最近増えてきたように思う。それはiPhoneひとつあればパソコンはいらない、カメラもいらない、手帳もいらない、財布さえいらない時代がすぐそこまで来ているから。

半径50m内にいるデザイナーは、ひと足早くセリーヌのポシェットで颯爽と通勤。あまりの身軽さに携帯さえ忘れる始末だが、彼女はいつも都会的でスタイリッシュ。持ち歩いているのは、保湿対策のワセリンのみだという。ハイブランドのアイコニックバッグに続々とミニサイズが登場し、これまでオバさん臭い印象が拭えなかったアニヤさえ(すみません)ポップモチーフのポシェットで大成功をおさめている。

これまで重たいブランドトートを持ち歩いていた大人女子がリュックを軽々と背負い、街を闊歩する姿が多くみられたが、今年は軽やかなポシェット女子が街モードを牽引するだろう。ラップトップを持ち歩く私もリュックが手放せないでいたが、こじはる同様に2017年内の卒業を目指したい。そして、ポシェットが似合う身軽女子に向けて絶賛ダイエット中でもある。

③スリッパで街を闊歩する

vol.15 TOKYO NEXT

新宿伊勢丹のセールに行ってきた。予想に反してHYKE×adidasのスニーカーがセールに出されたことに驚き、薄々感じていたスニーカーブームの終焉を確信した。そもそも、スニーカーはノームコアのアイコン的存在で、トレンドが終われば、その代表的アイテムも終わるのはごく自然の流れ。とはいえスニーカーに関しては、いきなり“ダサい”アイテムに変貌するのではなく、ブーム的な盛り上がりはない、といった印象だ。

ファッショニスタの間では、再び革靴が見直されているという。なかでも、昨年の秋冬から徐々に盛り上がりを見せている“スリッパ”が NEXTスニーカーになることを予測したい。TOKYOWISEでもおなじみのファッション・エディターA氏は、スリッパやサボをすでに愛用中。2017年春夏コレクションでも、ミュウミュウやディオールをはじめ、多くのブランドでリラックスムード溢れるスリッパが登場している。

あくまで個人的見解だが、スリッパ台頭の背景にあるのはワイドパンツの流行ではないかと。ワイドパンツは大人っぽい印象があり、つっかけ風のスリッパを合わせるとカジュアル感がプラスされて、ちょうどいいヌケ感がでる。さらに、これまでスニーカーという快適シューズに慣れてしまった怠け足に、いきなりヒールはしんどいだろう。ってことで、コンフォートなスリッパというわけだ。

私も早速セールでスリッパをゲットし、靴修理店で裏張りをお願いしたところ、「これで外歩くの!?」と仰天された。まだその程度の認識なので、居酒屋に行くときには、靴をしまうビニール袋を用意しておこう。誰かがトイレに入っていってしまう可能性が大いにあるからだ。

さて、あなたは何が気になりましたか? 新しい流行とそのトレンドをリアルに落とし込んだ世間のムードを掛け合わせたときに、自分なりの着こなしが見つかるもの。私はこの3原則を守りつつ、〈レトロ×ギーク〉なファッションをちょっとだけ意識してみようと思うのであった。R40でもキャップをかぶるぐらいの心意気を見せてやろうじゃないか!

(Text: Ayako Takahashi-TPDL)
(Photo:Yuuko Konagai)

TOKYOWISE SOCIAL TOKYOWISE SOCIAL