いま何故サブカルの聖地が ザワついているのか? 「中野」と「NY」の関係性 Nakano Otaku Sanctuary

2017.06.12

Vol.18 中央線快速物語

世界に冠たる、超複合マンションの金字塔“中野ブロードウェイ”


中野ブロードウェイは前回(1964年)の東京五輪の開発ブームに乗って生まれた。高級アパートと商業施設が混在するNYのブロードウェイをモデルに建設されたと言われている。当時は人気絶頂の沢田研二さん、元都知事の青島幸雄さんが住人だったり、屋上にプールや遊歩道があるなど、型破りの豪華さだった。商業施設も今とはまるで中身が違った(今や面影はないが)。銀座の有名紳士服店などがテナントとして入る流行の最先端をいくビルだったというのだ。編集部のファッションリーダーの話からもその面影が見えてきた。

名だたるファッション界のドンがその腕を見込む「ミスターエマ」。
無類の靴好きを公言する編集部のファッションリーダーによれば、高級靴のお直しをさせたら「東京1の腕前」と言われる店がなんとこの中野ブロードウェイ内にあると言うのだ。
とは言え、現在の中野ブロードウェイの魅力は、ありとあらゆるものを飲み込んでしまいそうな、混沌としたアジア的超カオスと言ってもいいだろう。本当にすごいんだから。

地下はまさにアジア的カオス。中でも有名なのが「デイリーチコ」の盛りがビッグなソフトクリーム。50年前から変わっていないと編集長も驚愕。

エスカレーターで2階に行けない謎の造りは中野ブロードウェイの七不思議


路地裏だらけの商店街周辺。
昭和の香りの隙間に別のタワマンが顔をのぞかせる。


懐かしい佇まいの本店の看板。



中野ブロードウェイから商店街の迷路を抜けて現れるフジヤカメラもまた伝説の店。
なんでも当時はここでしか手に入らないレンズがあったという、“玄人好みの店”。カメラ好きの聖地。

前述の“ブロードウェイ”には空港からフランス人が直行すると言われるアニメ&漫画の世界的聖地「まんだらけ」、ヴィンテージウォッチの「ジャックロード」などなど数多くの聖地が存在し、ブロードウィの裏道には小さな飲み屋、ラーメン屋がひしめき合い、ちょい飲みの聖地とも言える様相を呈している。一方で、区をあげてLBGT問題にも取り組み、ゲイの人々のベッドタウンとさえ言われる、グローバル感溢れる街でもある。
そんな聖地群と昭和色全開の“ブロードウェイ”+その周辺 vs. 大企業に大学の誘致で真新しい表情を輝かせる“セントラルパーク”。
二つの東京オリンピックがつなぐ新旧のNY風ネーミングの街はこれからどんな顔を作り出していくのだろう。念願のNY化はなるか?!凡百の再開発の町となるのか?
さて、新宿以西最初の中央線の拠点の未来を、みんなで見守ろうではないか。

(Text&Photo:ジョーキョーマダム

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