2017.07.17

Vol.19 渋い東京

デッキの良さで音は変わる


ピアノも共鳴させる箱により音には格段に差が出ると言われるが、カセットテープも同じことが言えるようだ。大きいスピーカーを有するプレーヤーは重厚な音を楽しませてくれる。「レコードは針を丁寧に盤に置くなど作法が必要でしたけど、カセットテープは実に簡単で、テープをデッキにカチャッと入れるだけでいい音が出たのですから、画期的だったと思います。70年代後半には今の価格でいうと、約15万円くらいするデッキまで生まれていました。この頃は、テープのクオリティーにも磨きがかかりはじめました」。


アーティストのこだわりは音だけではなくパッケージにも表れる。
今のカセットテープカルチャーに火をつけたのはアメリカの西海岸。2000年代後半、レコードの1/6から1/7のコストで作れるカセットテープに目を付けたインディーズの人々が、自曲の販売にカセットテープを使い出したことがきっかけ。「店に置いているのは、洋楽のカセットテープが多いです。昔は日本に入っていなかったものや、新しく出されたものなど。うちの店には日本のトップミュージシャンもよくいらっしゃいますが、ここで影響を受けたのか、ミュージックテープを出しはじめた方もいます」(角田さん)。プロを魅了するほどの魅力を持つカセットテープ、懐かしくて新しい文化が確かにここに息づいていた。




中目黒waltz
住所:東京都目黒区中目黒4-15-5-101
電話:03-5734-1017

(Text:ジョーキョーマダム
(Photo:Masashi Nagao)

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