2017.07.25

Vol.19 渋い東京

リアル体験!女形芸者・栄太朗さんから学ぶお座敷遊びのあれこれ

ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」にはじまり、「漫画」「カワイイ」「芸者」といった日本独自の文化から生まれたキーワードが世界共通になった昨今。これら全てのカルチャーを体感できる東京って改めて凄いと思う。中でも、約300年前の江戸時代に京都を中心に広まったとされている花街の文化(茶屋、芸舞妓、お座敷遊びなど)が、今も東京にしっかりと根付いているのは本当に誇るべきことだ。

熱い視線が注がれる人気の女形芸者が凄い


各国各所から観光客が押し寄せる東京には、国内外から注目を集める女形芸者・栄太朗さんが居るのをご存知だろうか。男性でありながら、品川大井海岸の芸者置屋『まつ乃家』※1の二代目女将と芸者を担う、言わば花柳界の異端児だ。



「東京を中心に活動しておりますが、最近は地方のイベントや宴席に呼んでいただくことも多く、また、海外の取材やお客様からお声を掛けていただくことも増えました」

と、話す栄太朗さんは、10歳でお座敷デビュー。その後、23歳の時、前・女将(亡きお母様)の意思を継いで置屋の女将に。

「女将というのは、女の子を采配、マネージメントをしなければいけない。芸者というのは、芸事を通してお客様に楽しんでいただける空間を作るのが仕事ではないかと考えております。スポーツで例えるなら、女将が監督、芸者は選手。お座敷というフィールドには、どちらも欠かせないと思っています」

そして今回は、実際に取材(遊びを兼ねて)のため、TOKYOWISE編集部のスタッフ数名でお座敷遊びを体験した。

一度と言わず、二度三度!
ハマりそうなお座敷遊び


そもそも、置屋(お茶屋)へ連絡をして、人数や予算など、こちらの要望に応じて細かく手配をしてもらうお座敷遊び。料金が明確に示されていないこともあって、「お金がかかりそう」と尻込みする人も少なくないかもしれないが、8人前後のグループであれば一人当り8,000円〜10,000円の予算でお座敷遊びができるとすれば大いに有りじゃないかと。どうでしょう? その日の気分で、「手軽に一杯!」というわけにはいかないけれど、居酒屋2〜3軒をハシゴしてそれぐらい使ってしまうこともあると考えれば、高い感じもしないような。
料金表があるわけではないので、まずは全体の予算ありきで相談を重ねると良いかも。


まずは、ビールで乾杯。鮮魚の刺身など先附を頂きながら談笑

料理にお酒、芸者さんの楽しい話に盛り上がりつつ、忘れてはいけないのが芸者さんへの「よければ、ご一緒にいかがですか?」の相槌。お酒はOKでも、食事をすすめるのはNGなので注意を!


大森駅から程近い、割烹料亭『冨士家』(※2)の料理を味わいながら、お座敷遊びを堪能。量より質、盛り付けにも手を抜かない大人が満足できる場所

「ご要望に合わせて、居心地の良い空間作りのお手伝いをさせていただくのが、私共(芸者)の役目だと思います。例えば、踊りや唄、三味線の準備をしていても、お出先様から“今日は踊らなくていいよ”と言われれば致しませんし、その逆で、“踊って!”といきなり言われたのなら、出来る限り、臨機応変に対応できるよう日頃からお稽古を積んでおります」


「お座つけの踊りや小物も季節によって意識しております」と話す栄太朗さんの片手にはあやめの花を彩った扇子(取材した時期は、6月初旬)

さらに、披露してくれた長唄の「鶴亀」や「奴さん」など、踊りや唄を堪能した後には、その余韻とお酒を楽しみながら、芸者さんと一緒にゲームなんかも。


お座敷遊びで有名なのは、「金比羅船々(こんぴらふねふね)」。この遊び、酔って、リズム感がない人がやってしまうとドツボにハマるので要注意。対戦相手は、場慣れしている芸者さんであり、負けたら罰ゲームもあるので……(笑)。

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