2017.09.XX

Vol.20 アツい東京

訪れた「無」の境地


訪れた「無」の境地

なんとなく、要領は得た気がする。いわば半強制的な瞑想みたいな感じ?次はもっと『無』に近づいてみよう、 なんて考えながら爬虫類のように日向を探し当て身体を温めていると、またしてもあっという間に自分の番だ。改めて気合を入れ、最後の入水。相変わらず滝の勢いは凄まじいが、意識を集中していると、今度はさっきより早く『無』の状態に入れた気がした。この頃になると参加者の間にも連帯感が芽生えていて、西澤さんの終わりの合図に気付かない自分に全員で声を掛けてくれた。あれ? 終わっちゃった。なんだかさっきよりも短い気がしたのは、本当に2回目よりも長く『無』になれたからなのか、それとも西澤さんの気遣いだったのか。

とにかく滝行はこれにて終了。果たして、罪汚れを祓い、滝のお恵みはいただけのだろうか。その答えはわからないけど、なんとなく感じたのは、結局一番大切なのは『清められた、パワーをいただいた』と信じる気持ちで 、そしてその信じる気持ちを持つきっかけとして、滝行は強烈に作用するんだと思う。少なからず、終わってみれば身も心も清々しさに充ち満ちていたことだけは確かだった。

つまり、滝行って?


つまり、滝行って?

最後に西澤さんは、その表情をまた出会った当初のニコニコ顔に戻し、穏やかにこう話してくれた。「滝行にはもちろん宗教的な側面もありますが、一般の方に指導する場合一番の目的は、自然と一体になって、心も身体もリフレッシュしてもらうっていうことなんですよ。だから、なんとなく気分を変えたいとか、明日からまた頑張りたいとか、そういう些細なきっかけで参加してもらって全然構いません。これまで参加した99%の方が、みなさんスッキリしたポジティブな笑顔で帰って行かれます。それこそが、滝行の神秘の力なのかもしれませんね。私個人としても、そんなみなさんの笑顔を見るのがとても嬉しいんです」。

<問い合わせ>
滝行と自然を味わう会
開催地:西多摩郡檜原村数馬
電話:090-3225-6286(西澤氏直通)
開催期間:通年
料金:男性1名5,000円/女性1名5,500円(行衣の洗濯代500円込み)+『九頭龍神社』参拝のお賽銭
url:http://town-j.net/taki/

(Text&Photo:山本サトシ)

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