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2015.05.15

vol.5 TOKYO STANDARD
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渋谷、原宿、六本木。銀座、青山、中目黒。はたまた上野、押上、浅草。今の東京は、どこに行っても外国人だらけである。いかにも観光客とおぼしき人もいれば、一見そう見えて、実は居住者だったりすることも多々あって、日本滞在の目的もまさに十人十色。アメリカ人、フランス人、中国人、アフリカ人…街行く彼ら、個人的に出会う彼らをみていて、ずっと気になっていたのは、一体全体、日本という異文化の何に魅力を感じ、何を買っているのかということ。

秋葉原の電化製品店に行くと、どでかいスーツケース持参で、炊飯器やデジカメ、パソコンなどを爆買いしている中国人の姿をよく見かける。銀座や表参道の有名ブランド店で、惜しげなく財布を開いているのも、きまってアジア系の人々だ。また、浅草在住で外国人のおみやげについて研究している知人ライターによると、「侍」「一番」「忍者」などの漢字Tシャツは定番中の定番だが、秘かに売れているのは春画のレプリカだという。

このように、エリアによっても外国人が買うものは当然異なるわけで、昨年の暮れごろから色々と考察してみた結果、最も庶民的で外国人のメッカと言われる『驚安の殿堂 ドン・キホーテ』と『100円ショップ ザ・ダイソー』に焦点を絞り、街頭インタビューを行ってみることにした。東京の外国人のあいだでは、意外なものが定番になりつつあるという事実も明らかに…まずはドン・キホーテからご覧いただきたい。

s_DSC_0455 やってきたのは、夜の六本木店。海外のガイドブックでも観光名所と言われるだけあって、客足は絶えない。外苑東通りにそびえ立つネオンに吸い込まれるように、次から次へと人が入っていくのを眺めること、約15分。このわずかな時間にも、およそ5人に1人は外国人客ときた。恐るべし、六本木である。

これから夜の街へ出勤風といった黒人の方、アジア系のカップル、家族連れの欧米人、見た目から読み取れるライフスタイルや国籍もさまざまといった感じ。片手にドン・キホーテの黄色い袋を提げ、もう片方の手で小さな女の子の手を引きつつ、店から出てきた白人女性に声を掛けてみた。

s_DSC_0463 「すみません。袋の中身、見せていただけませんか?」。唐突なお願いにも関わらず、快く応じてくれたのはギリシャ人の親子。夫の仕事の関係で渡日し、家族3人で六本木界隈に暮らしているという。「歩いてすぐの距離だし、ドン・キホーテはよく来るわ。普段はもっとたくさんショッピングするんだけど、今日はバターとチーズを買ったの。夜遅くまで開いていて便利だし、とにかく安くて重宝してるわ!」とお母さん。写真を数枚撮らせてもらったら、娘さんに「私にも見せて!」と言われ、キメのポーズで撮り直し、オッケーが出たのがこちらの一枚。しょっぱなから、外国人のノリの良さに脱帽である。

s_DSC_0456 母&娘の次は、母&息子。こちらはアメリカ人の親子で、またもや在住ファミリーだ。「ドン・キホーテは最高ね。何が良いって、コスメも生活用品も、とにかく安いこと。今日はマキアージュのリップスティックと18個入りのトイレットペーパーを買ったわ。うち、ペーパーをたくさん使うのよ(笑)」。

一方、息子さんが購入したのは、なんと焼きいも! 「ドン・キホーテに来る時は、よく買います。焼きいも、美味しいです」と嬉しそうに中身を取り出して見せてくれた。ちなみに、三田に在住というセレブな奥様いわく、ドン・キホーテと同様、コストコもよく利用するのだそう。

買い物を終えて出てくる外国人に次々と話を伺ったが、六本木店では8割方が近場に住んでいる人だということが判明。大半は富裕層で、面白いのは、総じて消耗品や飲食品など、生活必需品を買うためにドン・キホーテを利用していること。やはりお金持ちほど経済観念がしっかりしているのだった。

この日、観光客も少なくはなかった。破れそうにパンパンの買い物袋を両手に提げて出てきたのは、マレーシア人の若いカップル。中身を見せて欲しいとお願いすると、「ごめんなさい。一日じゅう、あちこち歩き回って、ショッピングしてたから、ひどく疲れているの」と彼女さん。「コスメ、香水、お菓子、あとはカップラーメンとか食品類。あとはハローキティのグッズね。おみやげ用にもいいなと思って、とにかくたくさん買い込んだの。安いのにクオリティが高いと思うわ」。このコメントにもあるように、ドン・キホーテは安さと品質を兼ね備えたところが、外国人観光客の間では高く評価されているようだ。

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