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2015.07.17

vol.6 TOKYO LOVE
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地域密着型の恋愛事情を探る


ここ最近、巷でちょくちょく耳にする、幼馴染や同じ地元同士での“恋愛”、そして“結婚” についてTOKYOWISE的視点から掘り下げてみようと思う。何故このような“愛”の形について記事にしてみようかと思ったのは、あまりにも「羨ましい」「憧れる」という偏った意見が多いように感じたからだ。はたしてテレビドラマのような「気が付いたらいつも近くにいたあなたのことが…」や「彼女が男友達と仲良く話しているのを見たら今までにない感情が湧き出た…」みたく、悩ましい展開ばかりなのだろうか?

自分の周りを見てもざっと3組みのカップルが瞬時に思いつく。この数字を少ないと見るか多いと見るかはさておき、確実にそのような関係を維持している知り合いや友人が存在するのは確かな事実。そこで、どういった時を経て今の関係にたどり着いたのか紐解いてみようと思う。

ケース1
-お付き合い歴25年の二人の場合-


中学の同級生として出会った二人。
どちらからともなくお互いに惹かれあい、恋愛関係に発展するまで多くの時間を必要としなかった。
甘酸っぱい青春時代をともに過ごし、付き合い初めて13年目の春にめでたくゴールイン。
その後も3人の子供を授かり、結婚と同時に “夫A”が地元で立ち上げたアパレルショップも順調に展開し、いわゆる誰もが憧れる幸せな結婚生活を過ごしてきた。
しかし!
ここまではローカル恋愛のストロングスタイルと言っても過言ではない人生を送ってきたふたりに突如、予想だにしない展開が昨年末に起こった。
口だけ10年先に生まれてきたような(笑) とにかく口の悪い夫と、小学生ながらいけいけの長男(12歳)との度重なる衝突や25年もの間積み重なったストレスの末、おしとやかで芯の強い“妻A”が遂にブチギレ!
“夫A”に三行半を突きつけ現在は週末婚という形で別居生活中。
そして現在にいたる。

ケース2
-お付き合い歴20年の二人の場合-


こちらも中学の同級生としてお互いの存在を認識した二人。
その後は何事もなく卒業をし、違う時間を過ごしてきた二人。
そして、成人式後の打ち上げの席で運命の再会を果たす。
その時の様子を“夫B”はこう語ってくれた
「とにかく、彼女の美貌に一目ぼれしました。中学時代はまったく意識していなかったのに、こうまで垢抜けて人って変わるんだと、ただただびっくりでしたね。そこからはひたすらアタックの波状攻撃です(笑)」。
“夫B”の真摯でまっすぐな愛情を受け止めた彼女は、数年のお付き合いの末、自然の流れで結婚へと。
そして、二人の子供とともに様々な苦難を乗り越え、お互いの絆を家族として深めていった。
しかしながら、この夫婦にも決して口にしない悩みが…
それは、日本人特有とも世界的に言われている「セックスレス」問題!
その問題を解消するべく、もう一人子供を作るというきっかけの元、遂に長い期間 “アンタッチャブル” であったこの問題に夫の方から切り込んだ。
が、しかしその勇気を振り絞った決断に対しての “妻B” の対応たるや、もう口に出して説明する気力もなくなるほど強烈だったらしいので、そこはご想像におまかせします。
この一軒以来、“妻B” のことを女性として一切見られなくなってしまったらしく、現在今後の人生について真剣に悩んでいるとのこと。


いかがでしょう?皆様が羨む “地域密着型恋愛” の真実は。個人的には今回のケースに限っては「悲惨」としか言いようがないのが正直な気持ち。結局は、出会いはドラマチックであっても、時が経てばよく耳にする夫婦のパターンとあまり変わらないような気が。でも心配なかれ!これで終わらないのがTOKYOWISE!最後にもうひとつの最高にハッピーなストーリーをご紹介します。

ケース3
-お付き合い歴17年の二人の場合-


この夫婦の出会いは小学生時代まで遡る。
内気で癒し系ぽっちゃりの “夫C” は、彼にとってのマドンナである後の “妻C” に密かに思いを寄せていた。
それは、中学時代、そしてお互いが離れ離れになる高校時代以降も続いていったのだ。どうしてもその長年の気持ちを諦めきれない彼は、意を決し彼女が働く床屋に足を向ける(ちなみにこの床屋さんは、彼女の実家で当時そこで働いていたらしい)。もちろんはじめから長年の思いを伝えるなどできるはずはなく、月に一回の一方的な “勝手に髪切デート” を数ヶ月続けていた。このままでは埓があかないといい加減思った彼は、人生最初で最後となる告白へと行動を移したのであった。「そりゃ、びっくりしないわけないですよね (笑)。自分でもこんな男はいい意味でも悪いい意味でもいないと思いますもん」。それでも彼女の方は薄々彼の気持ちに気付いていたらしく、少しづつではあるが、男性としてみるように。そんな真面目すぎる彼の性格に、彼女の母性本能が受け入れ体制を整えた時、遂に “夫C” としの立場を掴み取ることに成功。今では先のふた夫婦とは正反対の、暖かい家庭を築き幸せな毎日を送っている。

ご近所婚のメリット・デメリット


こんなパターンあるんですね。私自身には絶対に有り得ない状況だが、こんな嘘のような本当の展開も存在するわけで。そこで最後に、このような “愛” の形に発生するメリット・デメリットとを数例ずつご紹介してみようと思う。

メリット
・お互いの実家が近いので子供をすぐあずけられる。
・こと奥さんに関しては自分の実家で頻繁に息抜きが可能。
・学生時代からの友達も多いので、居住地域での人間関係のストレスが軽減する

デメリット
・地元特有の噂が回るスピード (尾ひれ背びれが付くだけではなく、羽まで生えるオプション付き)
・泥沼離婚の場合は逆に地元同士というのが確実に仇になる。
・子供が同地域の学校に通った時に発生する同級生の子供との問題 。(例. いじめが発生してしまった場合など)

「人の不幸は蜜の味」とは上手く言ったもので、不幸話になったとたんもの凄いスピードで話が広がっていくのとか、想像しただけで恐ろしいですね(笑)。もちろん幸せな人生を送っているカップルの方がきっと多いはずなので、ドラマチックな側面だけを見て盲目になることなく、冷静に地域密着型の恋愛に憧れるならいいのではないかと思う今日この頃である。

(Text: Tatsuya Nakamura – R.G.C)
(Illustration: 大沢 純子)

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