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2016.03.21

vol.9 TOKYO NUDE
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30代後半から40代で構成されるTOKYOWISE編集部では「最近東京がつまらない」「若者に元気がないのは、遊ばないせいだ」という声がよく聞こえてくる。小誌のライターtokyo psycho(40代♂ )も『「今の東京は面白くない」と40代の〜』にてこの状況を考察している。

私自身は30代前半であり、どちらかというと若者の味方をしてあげたくなるのだが、本当に今の20代は元気がないのか? 40代や上の世代が20代だった頃とそんなに違いはあるの?というわけで、その実態を探るべく、若者の本音を探るための座談会を開催!で、特に実態の見えにくい(我々にとってw)現役女子大生の方々をお招きした。
今回、参加してくれたのは都内の現役大学4年生の女性4名。
(大学名/4月からの内定先/彼氏の有無)

・N.Oさん(慶應義塾大学/化粧品メーカー/彼氏なし)
・M.Wさん(慶應義塾大学/総合商社/彼氏なし)
・A.Sさん(慶應義塾大学/テレビ局/彼氏あり)
・S.Sさん(早稲田大学/webマーケティング会社/彼氏あり)
以下、敬称略

女子大生の夜遊び事情
遊びもしっかりちゃっかり


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──早速ですがぶっちゃけ、遊んでる?
「普通に遊んでると思う!」(N.O、M.W、A.S)
「あまり遊んでないかも。(何してるの?という質問に) 家でゴロゴロしていることが多いです」(S.S)

──飲み会はどうなの?参加しても終電で帰っちゃう?
「行きますね。実家が郊外なんですが、終電逃してタクシーで帰ったときは、後でパパにこっそり請求したりします(笑)。」(N.O)
「行きます。オールもしますし、たまにクラブに行くことも。」(M.W)
「お酒が飲めないので、飲みがメインというよりは、食事にお金を使います。」(A.S)
「サークルの飲みとかにたまに行くくらいですね。」(S.S)

──(N.Oさんに)パパ優しいね(笑)。お父さんとは仲良しなの?
「はい、よくふたりで飲みに行ったりします。近所のお寿司屋さんとかに。」(N.O)
「うちは父がお酒弱いので飲みには行かないですが、ふたりで食事に行ったり、ドライブにも行きます。」(M.W)
「私は一人暮らしなので父が東京に出張に出てきたときにはうちに泊まって、部屋の掃除をしてくれたりします(笑)。」(A.S)
「私は出かけるなら母とですね。買い物とか。」(S.S)

女子大生の恋愛、結婚観
専業主婦希望!?


──(N.O、M.W、A.Sに) それだけお父さんと仲良しだと、彼氏(や恋愛対象の男性)にお父さんに似た人を求めたりしない?
「それはあるかもしれない。」(N.O、M.W)
「今の彼は父の好きなところは似て、嫌いなとこは似てないってかんじです。」(A.S)
「それって完璧じゃん!」(一同)

──結婚は早くしたい?
「したいです!」(一同)

──結婚した後は仕事は続ける?子供ができたりしたら専業主婦もありなのかな?
「専業主婦が理想です。母がそうだったし、子供に習い事とかさせたいし。」(N.O)
「専業主婦になる予定。早く結婚したいのは、仕事が軌道に乗ったら、のめり込んで婚期を逃してしまいそうな気がして(笑)。」(M.W)
「それ私も!(笑)」(N.O)
「私も専業主婦派。やはり子供が3歳までは自分の手で育てたいなって。」(A.S)
「私は仕事を続けたいですね。子供は欲しいですが、旦那さんに主夫になってもうっていうのも全然あり。」(S.S)

20代女子が遊びに溺れず、
早期結婚を望む理由


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また、こんなにも彼女(女子大生)たちが高学歴で安定した仕事を選んでいるもののVERY的妻を理想とする(「ダウンジャケット着てベビーカーを押しながら白金高輪あたりを歩いてるママとかに憧れる(A.S))のは、直近の30代女性が、晩婚化で「おばさん」になっても夜の街中で遊んでいる姿を目の当たりにし、少なからず女性的危機を感じているからではないか。 早々に高収入の男性と結婚し、子供を産み、専業主婦になって子どもに習い事をさせながら幼稚園に通わせるのが「勝ち組」であり、いつまでも独身で自分で自分を養わなければなければならない女性(もしくは収入の低い男性と結婚し、子供を保育園に入れて自分が働かなければ家計が成り立たないという状況)が「負け組」だという価値観は、メディアが煽った部分もあると思うが、「必ずしもそれに影響されているわけではない」と彼女らはいう。

「自分の母親がそうだったので、そうなるのが当たり前と思っている。」(N.O )

彼女たちは一番身近な大人である父親や母親(50代)が作る家庭や社会を理想としており、自分もそうなるのだと信じている。「遊んでいる」30代や40代の独身女性より、家庭を持ち、裕福そうに暮らすVERY的マダムライフを望むのだ。20代女子の「遊び」に歯止めがかかるのも、そういった目標が(彼女たち的な)最終地点にあるからではないか。

10年後のリアル
かたや30代オーバーの女性の現実と幸せの定義は様々だ。


結婚のレールに乗りつつも夢破れたケース
■20代で同棲相手がリストラに遭い、無職に
■恋人がうつ病になり、借金したまま音信不通
■高収入の男性と結婚したものの、相手は浮気ばかり繰り返す
■姑のいびりがうるさくて家に居たくない

女子大生の夢とは違う道で幸せを歩んでるケース
■パートナーはいなくとも仕事と友人に恵まれ、それなりに楽しい独女生活を謳歌している
■サラリーマンの旦那と家事子育ては半々で、大黒柱としてバリバリ仕事をこなす女性経営者

筆者も大学時代、彼女たちと同様に高収入のパートナーと結婚して専業主婦になりたいという願望を少なからず持っていたし、周りもそういう人たちが多かった。が、蓋を開けてみれば現在、子育てをしながら仕事も楽しんでしている。

きっと賢く、優秀(おまけに美人)な20代の彼女たちはこれからも社会に出て多くのことを自分自身で学び、選択していくのだと思う。10年後、果たして現在の希望通り「専業主婦」になっている人はどのくらいいるだろうか。
もしくは、彼女たちが「なりたくない」30代独身女性になって、「遊び」を十分に謳歌しているかもしれないけれど!

(Text:Nao Asakura)
(Photo: Masashi Nagao)

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