仏の若き俊英ピエール・ニネ主演作品
『イヴ・サンローラン』- (3)

2014.09.09

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yves_saint_laurent_3 ©WY productions – SND – Cinefrance 1888 – Herodiade – Umedia

財団所有の貴重なアーカイブ衣装が多数登場

サンローランの公私ともにパートナーだったピエール・ベルジェが設立したイヴ・サンローラン財団は、サンローランに関する充実したコレクション(5000着以上の服やアクセサリー、靴など)を、厳重な温度・湿度調整の上、保管している。監督の熱意と誠実さに心を動かされたベルジェが撮影に協力することを決め、財団初公認となる本作が撮影された。

コレクションのシーンでは、2時間という制限の中で撮影がおこなわれ、服を傷めないように、モデルと服の間に布を一枚入れなくてはならないほど。さらに、サンローランの住居やアトリエも提供されたことで、サンローランのほとんどの作品が生まれた貴重な瞬間を、当時とほぼ同じように再現することに成功した。

実際に本物の衣装を目にしたときの心境について、ピエール・ニネはこう語っている。

「彼は時代を読むビジョンと頭脳の明晰さを行使して、人々はなにを好きになるかということを先取りして読むことができる能力がありました。とても印象的だったのは、撮影現場に“モンドリアン”のドレスが運び込まれてきたときでした。係員が美術品を扱うように手袋をして触っていたのです。もちろん着用したモデルは座っても駄目、食べ物や飲み物も駄目という制限の中で撮影しました。最後に手袋なしでこのドレスを触ったのは、イヴ本人だったのかもしれないと考えたら、とても感銘を受けました」

本物だけが放つ美しさを存分にとらえた映像と、ロックやオペラといったさまざまなジャンルの音楽が織りなす『イヴ・サンローラン』の世界。華やかなキャリアの裏側に秘められた、人間らしい一面をあらたに発見したい。
Text by WATANABE Reiko(OPENERS)

『イヴ・サンローラン』
9月6日(土)角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネマライズ他全国ロードショー
監督|ジャリル・レスペール
出演|ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ 、シャルロット・ル・ボン、ローラ・スメット、ニコライ・キンスキー
配給|KADOKAWA
2014年/フランス/カラー/シネマスコープ/106分
http://ysl-movie.jp/

OPENERSより
MOVIE|世界的デザイナーの知られざる人生の“喝采と孤独”
http://openers.jp/culture/tips_movie/news_yves_saint_laurent_47840_.html

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