第65回ベルリン国際映画祭
注目の受賞作品を一挙紹介!

2015.02.18

CLIPPING
B014_C010_0723EW © Fabula

審査員グランプリ(銀熊賞)
『El Club』

製作国:チリ
監督:パブロ・ラライン(Pablo Larraín)

「これは後世に語り継がれる名作になる」

CMで政権打倒を勝ち取った男たちの姿を描いた『NO ノー』がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど、チリ国内外で注目を集める新鋭監督パブロ・ララインが手がけた社会派ドラマ『El Club』が審査員グランプリに。プレゼンターを務めたクラウディア・リョサ監督が、「これは後世に語り継がれる名作になることでしょう」と高らかに宣言した本作が描くのは、過去に犯した罪から海辺の僻地に追放され、厳しい掟に縛られながらも穏やかに暮らす5人の聖職者たち。彼らの許しと救済の道のりを通して、カトリック教会の不透明な一面を明らかにしていく。トロフィーを受け取ったララインは「世界ではいま、神の名のもとで多くの命が犠牲になっています。いつか終止符の打たれる日がくることを願ってやみません」と語った。


665_45yrs_1 Agatha A. Nitecka © 45 Years Film Ltd

最優秀男優賞(銀熊賞)
最優秀女優賞(銀熊賞)

トム・コートネイ&シャーロット・ランプリング『45 Years』

製作国:イギリス
監督:アンドリュー・ヘイ(Andrew Haigh)

イギリスを代表する名優ふたりが俳優賞を独占

最優秀男優賞と最優秀女優賞、ふたつの俳優賞を独占したのは、『45 Years』で夫婦役を演じたトム・コートネイとシャーロット・ランプリング。詩人デヴィッド・コンスタンティンの短編小説を、『ウィークエンド』のアンドリュー・ヘイ監督が映画化。45年間連れ添った夫婦を襲った危機を描いてみせた。壇上にあがったランプリングは「はじめてベルリンの名を耳にしたのは、(陸上競技選手として活躍した)父がベルリンオリンピックで金メダルを獲ったときでした」とベルリンにまつわる思い出を紹介。「競争心の強い少女だった私は、そのときからいつか私もベルリンでなにかを成し遂げたいと思っていました。そうすれば、父からタスキを受け取れるんじゃないかって。今日、この銀熊賞が私の長年の夢を叶えてくれた気がします」


アルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)
『Ixcanul』
製作国:グアテマラ、フランス
監督:ジャイロ・ブスタマンテ(Jayro Bustamante)

監督賞(銀熊賞)
『Aferim!』
製作国:ルーマニア、ブルガリア、チェコ
監督:ラドゥ・ジュデ(Radu Jude)

監督賞(銀熊賞)
『Body』
製作国:ポーランド
監督:マルゴスカ・シュモウスカ(Malgorzata Szumowska)

脚本賞(銀熊賞)
『El Bóton de Nacár』
製作国:フランス、チリ、スペイン
監督:パトリシオ・グスマン(Patricio Guzmán)

Text & Edited by TANAKA Junko (OPENERS)
Photographs Courtesy of Berlinale

OPENERSより
特集|2015年国際映画祭速報|第65回ベルリン国際映画祭
http://openers.jp/article/892521

TOKYOWISE SOCIAL TOKYOWISE SOCIAL
News Clip一覧を見る