Editor’s Eye

2016.02.19

Editor’s Eye
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ブラックエプロン バリスタの頂点を決める!
スターバックスの「アンバサダーカップ」に行ってきた

スターバックスといえば、グリーンのエプロン。しかしごく稀に、ブラックのエプロンを身につけているバリスタを見かけることがあるだろう。スターバックス通なら知っている人も多いブラックエプロンのバリスタは、コーヒーの知識や経験の豊富なスタッフのこと。とはいえ、そう簡単になれるものではなく、スターバックスが独自に策定した社内試験に合格した人のみがブラックエプロンを手にすることができるという。現在、ブラックエプロンのバリスタは全パートナーの約8.6%と聞けば、その狭き門がわかるだろう。そうして晴れてブラックエプロンを身につけることができたバリスタがめざすのが、ブラックエプロン バリスタの頂点を決める「アンバサダーカップ」。今回TOKYOWISEでは、バリスタたちがコーヒーへの情熱を競い合うこの大会に密着取材してきた。

年に一度の「コーヒーの祭典」は大盛況!

s_160205_085 s_160205_088 地区予選で優勝した15名が全国大会となる「アンバサダーカップ」に集結するわけだが、まず驚いたのは会場のものすごい熱気。約1,500人は収容するホールが満席どころか立ち見客まで出て、とても一企業の社内行事とは思えない盛況ぶり。一緒に働くパートナーを応援するのはもちろん、年に一度のコーヒーの祭典を心から楽しんでいる様子がうかがえる。出場しているバリスタたちでさえ「緊張している」と同時に出る言葉が「今日を楽しみたい」というほどだ。この大会で決まるのは、ブラックエプロン バリスタの頂点=コーヒーアンバサダー(伝道師)。コーヒーアンバダサーの役割はその名前のとおり、1年間スターバックスの“顔”となり、社内外での様々な活動を通してスターバックスのコーヒーの魅力を伝えることだ。

コーヒーアンバサダーはどうやって決まる?

s_160205_106 s_160205_111 s_160205_138 審査は4つのステージに分かれている。最初のステージ「スメル(香り)」は、豆の香りだけを嗅いでローストレベル(煎りの深さ)と銘柄を当てるというもの。ローストレベルは当てることができても、銘柄まで当てるのは至難の技。セカンドステージでは、その場で引き当てたコーヒー豆について2分間で自由に表現する「プレゼンテーション」。正確なコーヒー豆の知識以外にも、話し方や印象を審査。サードステージは、カッピングという方法(注)でコーヒーの香りと味わいを確かめ、ローストレベル、銘柄を当てる「テイスティング」となっている。以上の審査によって勝ち残った4人のみが、ファイナルステージである「パフォーマンス」に進出。「パフォーマンス」では、店舗での接客による商品提案を想定したロールプレイングを行い、日々の接客スタイルを披露する。

さて、2016年度のコーヒーアンバサダーは?

s_160205_201s_160205_219 優勝者は、北東京地区代表の陶久 恵(スエヒサメグミ)さん。陶久さんは本大会のプレゼンテーションで「スターバックス ライトノート ブレンド®」の色彩豊かな味わいを油絵に例えて表現した。それはご自身が美大出身であり、美術で培った表現力が生かされているというから実におもしろい。そして、コーヒーアンバサダーとなった暁にはシアトル本社での研修を受け、全国のパートナーにコーヒーにまつわる勉強会を開催したり、スターバックスのコーヒーをメディアやイベントで紹介したり、ともかくその知識と情熱を余すところなく発揮し、大活躍な1年間になることは間違いない。

コーヒーアンバサダーになった感想は?

s2_160205_244 第12代コーヒーアンバサダーの寺崎浩一さんから歴代アンバサダーのみがもつコーヒー染めのエプロンを引き継いだ陶久さん。「アンバサダーカップ」に参加した感想を伺ってみた。

Q. 優勝おめでとうございます! アンバサダーになった感想は?

A. 感謝の気持ちでいっぱいです。決まった瞬間は、優勝するつもりで準備していたけれど、まさか、ほんとに…?という気持ちでした。両親をはじめ、周りの方々が自分のことのように喜んでくれているのが嬉しいです。

Q. 自信はありましたか?

A.五分五分でした。初めてのアンバサダーカップでしたし、緊張もしていました。前日参加したワークショップで、出場者のみんなと本番をどう盛り上げるかという話し合いをしていたら楽しくなってきて、緊張は少し和らぎました。当日は、みんなと楽しもうという気持ちのほうが上回っていましたね。

Q.どんなコーヒーアンバサダーになりたいですか?

A.未来への活力とか夢、FUNを与えられるコーヒーアンバサダーになりたいです。いろいろなことに楽しみながらチャレンジして、自分の枠をさらに広げていければと思います。寺崎さんが仰っていた『アンバサダーって、アンバサダーになってからアンバサダーになっていくんだよ』という言葉が、とてもしっくりきていて、私もそんなふうに成長していくアンバサダーになれたらいいなと思っています。

まとめてみた

スターバックスに行くと見かけていたブラックエプロンのバリスタ。彼らがどれほどのコーヒーへの情熱を持ち、日々努力を重ねているか、私たちは知る由もなかったわけだが、アンバサダーカップを見て、スターバックスのコーヒーのおいしさの秘密に少し近づけたように思う。スターバックスで働く全パートナーがブラックエプロンへの憧れをもち、奥深いコーヒーの世界を自主的に探求し続け、コーヒーの専門性を磨いている。コーヒーへの情熱を人から人へ。1杯のコーヒーがつながりをもち、本当の豊かさや潤いを提供できるのはスターバックスだけなのかもしれない。ともあれ、筆者もスターバックスに本気で入社したいと思うほど、奥深いコーヒーの世界に魅了された一日であった。

(Text: Ayako Takahashi-TPDL)
(Photo: Yuuko Konagai)

アンバサダーブログ
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(注)細かく挽いたコーヒー豆をカップに入れて、お湯を注いで行うコーヒーテイスティングの方法

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