東京銀座六丁目~Kazuquoママのカウンター越しの社会学~

2017.05.31

東京銀座六丁目~Kazuquoママのカウンター越しの社会学~

夜遊びでお金を払ったことのない
お姉様のヒミツ

銀座ルームのお客様で、あたしから見ても女っぽいなあと思う完璧なしぐさを披露するお姉さまがいる。彼女は、バブルを突っ走った女子。夜に遊びに出かける時は財布など持って行ったことがないと言うのよ。それでいて今もなお仕事で大活躍。なぜなら殿方がハッピーになる距離を作るのが絶妙なの。
このお姉さまの何が違うかというと、松田聖子とまではいかないけれど、少なからず、仕草の多くが正中線に近い。カウンター越しにおしゃべりをしていても、正中線を意識したうなづき、グラスを握り込まず、指で持ち、華奢な手首を強調。グラスを持たない手の手首も意味もなく反り返し、指も自然と屈曲する。その間、お首の角度も髪が軽く流れる程にキープ。そうするととにかく華奢な印象になるの。笑うときは、必ず口に手をあてるし、殿方の冗談にも手首のスナップを利かせ、軽く殿方の肩を叩きながら適度なボディコンタクト。こんな仕草の積み重ねが、殿方に異性と時を過ごしているという実感をさせ、異性といることの心地よさを殿方に与えているのだと思うわ。50歳を間近に、このお姉さまには、殿方の食事のお誘いが絶えることなく、様々な人脈、情報を駆使し、仕事の一戦を楽しそうに走りまくり。殿方の意識化にいるということは、どんな高いコスメよりもアンチエイジングに効果がある。

仕上げはコミュニケーション術

お姉さまの活躍の要因は仕草だけではないわ。決定的違いは、90パーセント殿方よりへりくだり、10%自分の意見を主張するコミュニケーション術。あなたの有能さを披露するチャンスはそう多くはないでしょ。まず、長くそばにいてもイラつくことなく心地よい。そして、いざというとき頼りになる。こんな女子を殿方は可愛がりたいの。
「セクハラ」「パワハラ」「女性差別」などと声高らかに女性の権利をふりかざしているうちに、あなたも女子であることを忘れ男子化してはいない?求愛シーズンの動物たちを見てわかるように、男子は女子に気に入られるために、戦い、羽を広げ、精一杯のアピールをするじゃない。女子も衣服やバック、コスメに頼りすぎず、「仕草」という最もコストのかからない方法で、男子の興味を引く努力をしてみても損はないのでしょう。男子にチヤホヤされて嫌な気になる女子はいないと思うのです。さあ、恋愛飢餓状態を脱出したいと思うあなた。今すぐこの「正中線」と「角度」の持つ女性美を研究し、身体中関節を柔軟に駆使して、殿方へのアピールをトライしてみて

(Text:かずこママ)
(Illustration:大沢純子)

かずこママ (Kazuquo)
栃木県宇都宮市出身。大学卒業後、自治医科大学付属病院にてリハビリテーション医療に携わったのち、 福祉住環境開発のために、住宅メーカーへ転職。その後独立し、PR会社、VIPトラベル専門の旅行会社「コスモクラーツトラベル」などを経営しながら銀座の会員制バー「銀座ルーム」のママとして日々、銀座のカウンター越しに社会情勢を見守っている。

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